No.230 ハムスターの低体温症(疑似冬眠)

ハムスターの低体温症(疑似冬眠)は、11月~3月の冬季に多くみられるトラブルで、発見が遅れると死亡する深刻な状態ですが、原因のほとんどは飼育上の問題です。

低体温症の1番の原因は寒さ(5℃以下)です。 冬季は必ず保温が必要です。 第2に食事不足です。 温度が下がったうえに、カロリーの不足が起こると、体温が維持できずに数時間で死亡します。

病院へ来る症状で最も多いものが「朝見たら冷たくなっていた」、「学校(仕事)から帰って見たら動かない」というものです。 軽度のものは、ふらふら歩くというような場合もあります。

軽症の場合は暖めるだけで回復し短時間で元気になる場合もありますが、内臓機能(とくに心臓)が障害をうけると、回復したように見えても、その後すぐに状態が悪化する場合があるので、3-7日間は十分に注意しなければなりません。 重度のものは、保温と同時に、点滴やブドウ糖の投与、心肺機能を守る処置をして、レーザーなどの理学療法も行い救命します。 その後数日間、集中的な治療が必要な場合もあります。

予防は、保温と食事管理です。ハムスターは種類を問わず好む温度は18~21℃といわれています。最低気温が20℃以下にならないようにお部屋を温めましょう。ペットヒーターだけではなく、必ずエアコンを使用して、お部屋の全体の温度を24時間20℃を下回らないようにしてあげて下さい。また、食事は切らさないように、バランスよく常時ケージに入れておきましょう。