No.422 爬虫類の中耳炎

爬虫類の中耳炎は比較的多くみられ、原因としては口腔内の細菌が口腔と通じる管(耳管)から中耳に侵入して感染が起こります。

軽度の炎症では鼓膜あたりが少し腫れてるかな?という程度で外見的にはわかりづらいのですが、進行してくると膿瘍となり、次第にその部分(眼の後ろあたり)が突出するようになります。中耳炎を放置しておくと骨が溶けてきたり食欲不振に陥ったりします。

湿度が高い時期、不衛生な環境で起こりやすいとされますが、適切でない飼育環境(温度・水温・湿度など)による免疫力低下や栄養不足も原因として挙げられます。特に水棲ガメやハコガメで多くみられます。

診断は、特徴的な症状と、病変部に針を刺して細胞を診るFNA検査、骨に異常がないかどうかを確認するためにレントゲン検査を行います。

爬虫類の膿瘍は基本的にチーズ様に塊として患部を塞いでしまいますので、治療は膿を外科的に摘出する必要があります。飼育環境や栄養状態を改善しないと再発することもあります。


カナヘビの中耳炎