No.308 突発性攻撃行動

突発性攻撃行動とは、犬や猫が何の前触れもなく突発的にいきなり襲い掛かってくる攻撃行動のことです。特発的とは原因不明という意味です。90年代後半、イギリスで動物の行動治療をしている獣医師が、飼主さんに対して激しい攻撃を繰り返していたスプリンガー・スパニエルを診断したとのが最初だそうです。国内でも発症した犬が確認されています。ここ数年、猫でも見られることがわかってきました。しかし、まだ研究が進んでおらず症例も少ないため不明な点が多いとされています。激怒症候群、レイジ・シンドロームなの俗称で呼ばれる場合もあります。

不安や恐怖から発症する場合が多いとされていますが、犬に関する研究では、脳神経系の異常であるてんかん(→No89癲癇、てんかん)の発作により、激しい攻撃行動が起こっている可能性が高いとの報告があります。そのことから、猫に関しても原因のひとつとして、てんかんが関わっているのではないかと考えられています。

突発性攻撃行動を起こすと、人や他の動物に対していきなり制御できないほどの激しい攻撃を加えます。本気で噛んだり引っかいたりするため、大きなケガにつながるおそれがあります。最初の症状が出るのは、犬の場合は3才までがほとんどで、早いと1才未満で発症する場合もあります。猫の場合も同様で、比較的若い時期から起こりやすいと考えられていますが高齢でもみられることがあります。

詳細なコンサルティングと各種の検査を行い、痛みや他の問題行動(恐怖や防御性の攻撃行動など)を除外して診断を行います。脳疾患を除外するためにMRI検査が必要な場合もあります。突発性攻撃行動の可能性が高いと診断した場合は、恐怖や不安を抑えるため、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や抗てんかん薬が処方されます。定期的に受診していただき注意深く経過をみながらコントロールしていくことになります。