No.456 毛包嚢胞

毛包嚢胞は、通常直径0.5-2.0cm程の犬の皮膚に比較的よく見られる腫瘤の1つです。他の動物種でもみられます。発生年齢は中高齢で多い印象がありますが、きちんとした疫学はありません。触診所見は比較的硬いことが多く、見た目は通常皮膚から隆起しています。体表のしこりに飼主さんが気付かれる場合や、トリミングなどで見つかる場合、健康診断などで偶然に発見される場合が多いです。

診断はFNA(針生検)で行います。角化物が採取されて、炎症や悪性腫瘍を示す細胞がないといったものになります。実際には他の毛基質由来の腫瘍(皮内角化上皮腫など)の可能性もあります。いずれにしてもその多くは良性病変です。確定診断は外科手術で切除した腫瘤を病理検査で確定する組織生検が必要です。

治療は、薬で消える様なものではないので外科手術になりますが、悪性のものではないので、通常は月1回毎くらいの経過観察で十分です。しかし、急に大きく成長したり、自潰したり、動物が気にする様ならば外科的切除をお勧めしています。良性病変ですから腫瘤の周りを大きく採る必要はありません。できた場所にもよりますが、多くは局所麻酔での処置が可能です。個体差がありますが、多発する場合もあります。また、稀ですが自分の免疫力で消えてしまう場合もあります。


犬の皮膚にできた毛包嚢胞

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No.382 皮膚のしこり(結節)2
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