No.158 猫の尿管結石 (Ureteral stones of cat)

尿管とは腎臓と膀胱を連絡する尿の通り路です。近年、猫で尿管にカルシウム系(シュウ酸カルシウムが98%)の結石が詰まる尿管結石が多発しています。尿管閉塞が起こると、1週間で腎機能の30%が、6週以内にすべての腎臓の機能が失われます。片側だけの場合は多くは無症状ですが、両側性の場合は尿が出ないので急性の腎不全となり、3-6日以内に死亡します。早期に発見したい病気の1つです。ヒトの場合と大きく違うのは、ヒトの場合の尿管結石は激痛がありますが、猫では痛みをあまり示さないことです。

原因は食事、遺伝の他、上皮小体機能亢進症や悪性腫瘍が基礎疾患としてある場合もありますが、多くは特発性(原因不明)です。

基本的な診断は、病歴、症状、身体一般検査に加え、尿検査、血液検査、結石を見つけるためレントゲン検査(尿路造影含む)、超音波などの画像診断を行います。現在は性能が良くなった超音波検査が主流です。しかし、猫の尿管の直径は約1mm、尿管結石の大きさは0.3-0.4mmです。結石が小さいこと、レントゲンに映らないタイプの結石が40%くらいあることなどから確定診断が難しい場合があります。超音波では実際の結石を発見すること、腎盂の拡張、尿管の拡張の所見などを探します。また、実際の手術時に結石の位置が画像診断の通りでないこともよくあります。

尿管の炎症が治まり、結石が自然に流れてしまうなんていう幸運なものも稀にありますが、通常はきちんとした治療が必要です。内科的には、点滴、αブロッカー、利尿剤、ステロイドなどが使われますが、外科手術が選択されることが多いです。とくに両側性の場合は緊急です。両側性で尿が出ない場合、24時間の内科的な治療で改善が認められなければ手術が必要です。手術法は、尿管切開-縫合、尿管膀胱吻合、尿管瘻、腎瘻、尿管ステント、皮下尿管バイパス(Subcutaneous Ureteral Bypass:SUB)などを状況に応じて行いますが、多く行われているのは、尿管を切開して結石を取り除く尿管切開-縫合です。この手術もマイクロサージェリー(顕微鏡や拡大鏡を使った微細な手術)となります。しかし、手術がうまく行っても22%の症例で尿管狭窄、40%の症例で再発があるという統計があります。なかなか手強い病気の1つです。

予防は基礎疾患があればその治療と、カルシウムを減らした食事療法、飲水量を増やすことなどが重要です。また、前述のように片側だけだと無症状なので、定期健診で早期に発見することが大切です。


腎盂の拡張した腎臓のエコー所見

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No.157 ボローニャの学会 (Congress 2017 in Bolonea)

10月28日・29日にイタリアのボローニャで開催された統合医療(近代西洋医学と西洋医学の力が及ばないところを代替療法を併せて行う療法)系のコングレス(獣医学会)に参加してきました。

ボローニャは日本語のイタリアのガイドブックにはほとんど載ってなく、パスタのボロネーゼの故郷ぐらいの知識しかありませんでしたが、レンガで出来たオレンジ色の古い建物と、たくさんの塔がある落ち着いた街並みで、1304年に世界で初めて公開人体解剖を行ったという欧州一古いボローニャ大学がある学園都市でもあり、非常に文化水準が高く魅力的な都市でした。また朝と夕方には犬と散歩をしている人がたくさんいました。中~大型犬が多いのですが、犬同士で遊ばせたり訓練も行き届いていている様子で、犬文化の日本との違いを感じました。

コングレスは、街の真ん中からタクシーで10分ほど走ったところにある、周辺に緑が多いモダンなホテルで開催されました。
教育的なものから統計、症例発表まで内容は様々でしたが、世界中の獣医師から2日間で多くの発表がありました。中でも『抗生剤を使わずにハイリスクの感染症の治療を行ったケース』『慢性腎不全の猫おけるサプリメントとホメオパシーとロ-フ-ドでの管理』『犬の新しい栄養学の考え方』などはとても勉強になりました。私も末席で気管虚脱の話をさせていただきました。
統合医療系の学会だったこともありますが、世界的な傾向として、ヒトの医学も獣医学も抗生剤をなるべく使用しない方向にシフトしている印象を受けました。栄養学もペットフードに頼らず自然食を使うことが見直されています。ヨーロッパではレストランもヴィ-ガン専用のレストランがとても増えてきています。学説は時代によって変わって行きますが、現代の獣医学は半年もすると、今まで当然のように行われていたことが突然否定されることが多々あります。新しいことが全て正しいことではありませんが、当院でも最新の世界基準の獣医学をきちんと行えるようにしなければならないと強く思いました。

最後に余談です。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、ボローニャ中央駅は1980年8月2日の午前10時25分にテロの被害を受け、当時20歳の日本人留学生1名を含む85名が亡くなっています。今でも駅舎の時計は10:25で止まったままです。


ボローニャの街並み

ボローニャの遠景

サン・ピエトロ大聖堂

世界初の人体解剖教室

本場のボロネーゼ

レストランの天井のフレスコ画

止まった時計

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No.156 犬の攻撃性行動

今回は犬の攻撃性行動についてです。

攻撃対象による分類
・身近なヒト・家族に対する攻撃性行動
・見知らぬ人に対する攻撃性行動
・犬どうしの攻撃性行動
・他の動物に対する攻撃性行動
・非生物に対する攻撃性行動

動機付け・対象による分類
・自己主張性・葛藤性攻撃行動
・同種間攻撃行動
・遊び関連性攻撃行動
・捕食性攻撃行動
・恐怖性・防御性攻撃行動
・縄張り性攻撃行動
・所有性攻撃行動
・食物関連性攻撃行動
・転嫁性攻撃行動
・母性攻撃行動
・疼痛性攻撃行動

このようにたくさんの分類がされていますが、心の中のことなのでなかなか簡単には答えに結びつかないことも多いです。実際には以下のような順で鑑別していきます。

攻撃性行動の鑑別診断
まずは体の病気じゃないかを鑑別します。

生理学的な問題
・痛み
・内分泌疾患(甲状腺機能低下症など)
・脳腫瘍
・てんかん
・水頭症
・感染性脳疾患
これらが否定されたら、次に行動学的な問題を考えます。

行動学的な問題
・不安
・恐怖からの攻撃性
・学習(負の強化)
・関心を引くための行動
・認知機能不全症
・常同障害

体の病気があれば、もちろん先にその病気の治療をします。しかし身体の病気が理由で問題行動が生じている場合は、その病気が治っても問題行動が残ってしまうことが少なくありません。このような場合と行動学的な問題がある場合は、基本的には拮抗条件付け系統的脱感作法で対処します。

拮抗条件付け
拮抗条件付けとは、感情と印象の修正をおこなう手続きのことです。良くない感情を持っている刺激(嫌悪刺激といいます)と良い感情を持っている(快刺激といいます)を順に提示することで感情を変化させる学習です。主に恐怖刺激に対して使います。
例えば、耳掃除が嫌いで、耳を触られるだけで人を攻撃してしまう犬がいたとしましょう。まずは耳に触れるか触れないかの刺激を与え(嫌悪刺激)、我慢出来たらおやつ(快刺激)、だんだんと刺激を上げ、最終的には耳掃除(嫌悪刺激)の後におやつ(快刺激)というやり方です。

系統的脱感作法
系統的脱感作法は、簡単にいうと慣らしていくことです。刺激に対して反応しない、慣れていくことを「馴化」と言います。この馴化を起こしやすくするためにこの方法を用いることが多いです。刺激を小さいところから徐々にあげていき反応しなくなるように慣らしていきます。不安や恐怖反応に対して用いる方法で、拮抗条件付けを一緒に用いると効果的です。
例えば、雷の音でパニックになってヒトを咬んでしまう犬に、録音した雷の音を小さい音量から徐々に大きな音にして聞かせます(系統的脱感作法)。この時に上手くおやつを与えます(拮抗条件付け)。

現実的には時間がかかることが多いです。あまりに病理が深い場合は、心の問題でも、薬を使うこともあります。とにかく一番いけないのは体罰です。体罰は問題を深刻にします。

今回のメルマガは、入交眞巳先生(日本ヒルズコルゲート株式会社)のセミナーを参考にしています

こちらも参考にして下さい。
No14学習法その1馴化、洪水法、脱感作
No15学習法その2古典的条件付け
No16学習法その3オペラント条件づけ1
No17学習法その4オペラント条件づけ2 学習法まとめ

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No.155 犬の発達行動学

子犬の発達期は、新生児期(0-2週齢)、移行期(2-3週齢)、社会化期(3-12週齢)、少年期(性成熟期まで)、青年期(社会化成熟期まで)と分類されています。

新生児期(0-2週齢)は、視覚、聴覚、嗅覚がまだなく、完全に母犬に頼っている状態。

移行期(2-3週齢)では、感覚器、五感が発達し、14-18日で聴覚が出現し、10-16日で目が開き、そのあとしばらくして目が見えるようになります。徐々に複雑な動きが出来るようになってきます。

社会化期の前期(3-6週齢)では、母犬、兄弟犬とのかかわりで社会化が行われていきます。母犬による排尿の手助けは通常5週齢目くらいまでです。この後に母犬によるトイレトレーニングが始まります。

社会化期の後期(6-12週齢)では、6週齢くらいから生活の中で周囲との関係性や他の動物との社会化が構築されていきます。いろいろなものに順応させるのに最適な時期です。脳はスポンジのように様々なことを吸収していきます。離乳は通常7-10週齢で、子犬は離乳を通して犬社会での優位行動・劣位行動の表し方を知ります。8-10週齢は恐怖期で、怖いということを覚えます。

少年期(性成熟期まで)~青年期(社会化成熟期)では、身体が急速に成長し、永久歯が生え始めて、活動性・興奮性が増します。兄弟犬同士での順位が決定され、反抗期に突入します。この時期トレーニングが困難になることがあります。

ブリーダーやペットショップからお家に子犬を迎え入れる時期は難しいですが、離乳が終わる8-10週齢目が推奨されています。早期離乳は攻撃性が増すといわれています。ただこの時期は前述のように恐怖期でもあるので移動などにも注意が必要です。動物の愛護・管理による法律でも『生後56日(8週齢)未満の犬やねこを親から離してはいけない』とされています。

今回のメルマガは、入交眞巳先生(日本ヒルズコルゲート株式会社)のセミナーを参考にしています。

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No.154 超音波検査(Ultrasound)

超音波とは音の一種であり、通常ヒトが耳で聞こえる音(可聴音)より高い周波数の音をいいます。音の高さは周波数で表され、周波数Hz(ヘルツ)でその高さが決まります。周波数とは、1秒間に何回振幅するかということを表していて、1秒間に1000回振幅する音は1000Hzです。ヒトが耳で聞こえる音(可聴音)の周波数は20Hz~20キロkHz(キロヘルツ)で、超音波の周波数はそれよりずっと高い1~30MHz(メガヘルツ)です。

超音波検査(エコー検査)は、この超音波を利用した画像検査法の一つで、超音波を対象物に当てその反射を映像化することで対象物の内部の状態を調査することができます。非常に強い超音波は物質を破壊したり大きな熱を発生したりしますが、診断に用いる強さの超音波では生体に害がないとされています。

超音波検査のメリットは、基本的に麻酔や鎮静が必要でなく、動物に対しての侵襲が少ないこと。検査に本体装置以外の特別な器具が必要がないこと。対象物がリアルタイムに多方向から観察できること。軟部組織の解析能が非常に優れていることなどが挙げられます。

一方デメリットは、装置が高額なこと。骨や神経の診断に向かないこと。視野が狭いこと。術者の経験が必要なことでしょうか。

超音波検査は動物でも主に心臓と腹部の検査に重要です。 心臓の検査では、レントゲンでは心臓の形や大きさの違いくらいしか分からなかったものが、超音波では心臓の断面積・容積の変化など、内部の様子がよく観察できるようになります。 また、腹部の検査では、肝臓、腎臓、副腎、膀胱、尿管、膵臓、卵巣、子宮、胃腸、腹腔内のリンパ節や脂肪の状態の観察に使われます。その他にもレントゲンでは判断しにくい各臓器の内部構造(腫瘍、炎症など)や早期の妊婦胎児診断(胎児の生存の有無)などに使われます。

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No.153 ケンネルコフ (kennel cough)

ケンネルコフは犬において非常によくみられる感染症です。犬伝染性気管・気管支炎とも呼ばれています。通常、数種の病原体、細菌やウィルスの飛沫感染によって引き起こされます。主な原因は、イヌアデノウィルスII型、イヌパラインフルエンザウィルス、犬ヘルペスウィルス、気管支敗血症菌(ボルデテラ・ブロンティセプティカ)、マイコプラズマなどです。

名前の通り主な症状は咳です。通常は荒くて大きな乾性の咳です。咳のあとに嘔吐する場合もあります。微熱や鼻汁がみられる場合もあります。興奮や運動で症状が悪化します。空気が乾燥している寒い時期に多いとされていますが、夏でも起こります。潜伏期間は3~10日と研究によって様々です。もともと若くて健康な犬がかかった場合は大きな心配はありませんが、老齢犬や幼若な犬、また免疫力の落ちてしまっている犬の場合は注意が必要です。

診断は、症状、発咳テスト(指で軽く頸部気管を圧迫します)、場合によってレントゲンなどの画像診断で行います。ケンネルコフと似た症状の病気、ジステンパーや肺炎、気管虚脱、心疾患などとの鑑別も重要です。

治療はもともと健康な犬の場合は、環境をよくしてきちんと栄養をとり、安静にしていれば、通常数日~数週間で完治しますが、こじらせると数ヶ月間咳が抜けない場合もあります(複合感染だと長引くといわれています)。首輪を使用している場合は胴輪にするなど、喉への刺激を避けます。抗生剤や鎮咳剤などが必要な場合もあります。予防は飛沫感染なのでなかなか難しいですが、咳をしている犬に近づかないこと、また、イヌアデノウィルスII型、イヌパラインフルエンザウィルスはワクチンで予防可能です。

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No.152 ヒアリ(火蟻)

ヒアリは体長2.5~6.0mmの赤茶色でツヤツヤしている小さなアリです。腹部に2つのコブがあり、お尻に毒針があります。日当たりの良い場所に土でドーム状の大きなアリ塚を作り集団で生活します。攻撃性が強く集団でおそいかかってきます。南米原産ですが、北米、中国、オーストラリアなどで定着しています。これまで日本では見つかっていませんでしたが、今年の6月以降、各地で見つかっています。外国から来たコンテナの中や、コンテナを水揚げするコンテナヤードで見つかっています。

ヒトがヒアリに刺されると、アルカロイド系の毒によって『熱いっ』という火傷のような感覚があり、激しい痛みを覚え水疱状に腫れます。通常は重症になることはなく1週間ほどで完治しますが、以前にヒアリに刺されたことがある人はアナフィラキシー性ショックを起こし死亡する場合もあります。

日本で犬や猫でのヒアリの被害の報告は今のところありませが、ヒトと同じ様な症状を出す可能性はあると考えられます。もし、大きなアリ塚を見たときなどは近づかないようにし、環境省の関東地方環境事務所(TEL 0486000516)などに連絡してください。


ヒアリの特徴


ヒアリのアリ塚

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No.151 猫の排泄の問題

猫のトイレの失敗が続く場合は、まずは病気の可能性を排除します。泌尿器系疾患などがないことがわかったら、トイレが嫌か、マーキング(スプレー)を考えます。

猫はもともと、大きな面積を使って時間をかけて排泄します。猫の理想のトイレは
・体長の1.5倍以上の大きさ
・天蓋はなし
・細かい砂の粒で固まるタイプ
・近くにうるさい電化製品がない
・夜でも多少は光がある
・数は猫の飼育頭数+1
です。トイレの縁に立って排泄していたり、短時間しかトイレにいなかったり、排泄後すぐにトイレから飛び出して来たり、トイレのあとに後ろ足を振っているようなときは、そのトイレを気に入っていない可能性が高いです。

粗相をしてしまったときの基本的な対処は、酵素系のクリーナーでアンモニア臭を完全に取り除き、猫の嫌いな柑橘系のにおいをその場所に残します。そして1番大事なことは叱らないことです。叱ると問題が悪化することが多いです。

スプレー(マーキング)は、猫どうしのラブレター、お手紙(現代風にいえばLINE、メール)に近いといわれています。しっぽを上げて少し震わせて排泄します。対処の基本は去勢・不妊手術です。これで89%が解決します。また、窓などから外の猫が見えるときは、その窓をブロックして、複数頭飼育している場合は猫どうしの関係性に問題がないかを考えます。また、ストレスを軽減することも必要です。

問題行動の解決は問題が起こってから早ければ早いほど効果的です。なるべく早目にご相談下さい。

今回のメルマガは、入交眞巳先生(日本ヒルズコルゲート株式会社)のセミナーを参考にしています。

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No.150 猫の行動学

猫は基本的に1匹で過ごすことが好きで、あまり社会性を持たないと考えられて来ましたが、現在では、猫も食べ物が豊富であれば、社会を形成し個々を認識しあうということがわかっています。好みの仲間のグループを作り、互いにコミュニケーションをします。仲良し同士は、自分では舐められないお互いの首から上を舐めあったり、身体をこすりあったり、一緒に寝たりします。

猫は複数のメスで一緒に子猫を育てます。子猫は、生後3週齢までは母乳で育ち、4~7週齢までに離乳が完了します。この時期に食べたものを将来好むので(おふくろの味といわれています)、この時期にいろいろな食べ物にチャレンジさせると偏食になりにくいと考えられています。しかし、母猫の栄養状態が悪く、きちんとした栄養が取れなかった場合、行動発達や学習能力、社会化などに問題が出ます。

子猫の社会化は2~7週齢で行われ、5~6週齢までに他の猫との関係がなくなった場合は社会行動が困難になります。また、子猫の時の遊びで学習した知識や運動能力は、将来の攻撃行動、捕食行動、追跡行動、性行動などに影響します。

また、猫が夜行性という誤解も多いです。猫はクレパスキュラと言って、早朝と夕暮れに活発に活動します。夜はREM睡眠です。目も暗い処ではよく見えません。

猫のリラックスためには、都会では完全に室内飼いにして、柔らかいベッドをあちこちに用意し、飽きない遊び場所を工夫し、隠れられる場所を作ってあげて下さい。高い所も大好きです。

飼主さんに対する攻撃行動がある場合は、慎重な対処が必要です。まずは身体的な問題(脳神経疾患、内分泌疾患、疼痛、医原性など)なのか、精神的な問題(発情、遊び誘発性、不安・恐怖、関心を引くためなど)なのかを考えます。中でも多いのは、遊び誘発性攻撃行動です。遊んでいるうちにブレーキが利かなくなって飼主さんを攻撃します。猫のテンションが上がり過ぎる前に遊びは止める。普段から素手で遊ばない。咬まれても叱らない。毎日決まった時間にオモチャを使って遊ぶ。知育トイを使う。などが対処法です。また、不安・恐怖などからの攻撃行動が激しい場合は投薬も選択肢の1つとなります。

今回のメルマガは、入交眞巳先生(日本ヒルズコルゲート株式会社)のセミナーを参考にしています。

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No.149 膝-乳歯症候群 (KaTS)

近年、猫の膝蓋骨(膝のお皿)の骨折の報告がヨーロッパで増えてきています。多くは1~3歳の雄猫に起こり、そのうちの多くの猫には乳歯遺残か埋伏歯(萌出しない歯)があり、永久歯がきちんと生えていない症例があることが指摘されています。一見、乳歯と膝の骨折は何の関係もないように思われそうですが、統計上、関連性が示唆されています。根本的な原因は不明です。

KaTSの注意点は多くの症例で膝蓋骨骨折が両側性に起こることです。また、高齢猫では他の部位の骨折も起こっていることがあります。

主な症状の多くは跛行で、無症状~重度まで様々です。

治療法は内科的な保存療法と外科的な方法と議論がありますが、現在のところ、症状が軽度の場合は保存療法、重度であれば外科的な治療が推奨されています。いずれにしても、乳歯遺残があった猫ちゃんは膝蓋骨骨折に注意しましょう。

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