No.388 高エネルギー外傷

高エネルギー外傷とは、名前の通り高いエネルギーが加わって生じた外傷のことをいいます。高いエネルギーが加わって生じた外傷の場合、一見元気そうに見えても、実は重篤な外傷である可能性が生じてきます。高エネルギー外傷の動物が救急搬送されてくる場合には、重篤な外傷が起こっているかもしれないと考えて治療します。

ヒトの外傷初期診療ガイドラインJATEC( Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)にはこう記載されています。

高エネルギー外傷
・高所墜落
以下の自動車事故
・同乗者の死亡
車の横転
車から放り出された
車が高度に損傷している
・歩行者・自転車が車に衝突された
・車に轢かれた
・転倒したバイクと運転者の距離が大きい
・機械器具に巻き込まれた
・体幹部が挟まれた

これを見ると、確かにエネルギーの高そうな事故ばかりです。都会では、犬の場合リードを外して逃亡をして交通事故に遭遇する、猫は高層階からの落下事故が多いです。

JATECでは、もう少し細かく高エネルギー外傷について記載されているのでそちらもご紹介します。

高エネルギー外傷の詳細
・高所墜落
成人:>6.1m (2階)
小児:>3.05m、もしくは伸長の2-3倍
・自動車事故  >45.7cmの車の陥入
車から放り出された(部分的もしくは完全に)
同乗者の死亡
・歩行者・自転車
車に轢かれた
>32.2km/hの速度の車と衝突
・バイクで>32.3km/hの速度での事故

高所墜落に関して成人と小児でその基準が異なることには注意が必要です。小児の場合には、例え1.5メートルからの転落でも高エネルギー外傷として対応する必要がある場合があるわけです。ヒトよりも体が小さい動物の場合、ヒトの基準より厳格な基準で考える必要があります。繰り返しになりますが、交通事故や落下事故などは、元気そうにみえても重症の場合が多くあります。事故にあわないことが一番ですが、万が一事故が起こってしまった場合は様子見をせず早目に受診して下さい。