No.85 涼しくしてあげてください

今年も暑い季節が始まりました。6月になってから来院されたほとんどの飼主さんに「涼しくしてあげて下さい」と言っています。当院での今年最初の熱中症の診断は5月31日でした。

ヒトよりも毛皮を着ていて汗腺も少ない動物のほうが厚さに弱いのは当然なのですが、中にはせっかく涼しい場所を飼主さんが用意しているのに、わざわざ暑いところにずっといて熱中症になってしまう犬や猫もいます。彼らにとっては、自分の好きな場所の方が暑いことよりも重要なようです。昔は「猫のいる場所が一番快適な場所」などと言われていましたが、そうばかりとは言えないようです。とくに高齢の動物は注意が必要です。犬も猫も去年よりもヒトの換算で言えば4~5歳年齢が増えています。去年は大丈夫だった環境に適応できない場合もあります。

また、湿度も重要なファクターになります。風通しがよいお家でも、湿度が上がっていれば熱中症になりやすくなります。皆様、もう一度、動物たちの環境を見直してみてください。以下の項も参照してください。

エンリッチメント熱中症、熱射病動物が快適な気温・湿度夏のトラブル