No.161 乾燥と痒み

冬でも痒みを持っている動物は以外と多いです。乾燥が大きな原因です。なぜ、乾燥すると痒みが増えるのでしょうか?簡単にご説明します。

皮膚は大きく分けて、表皮と真皮の二重構造になっています。表皮の一番外側を角質層といい外界に接しています。角質層は体内の水分を蒸発しないように保護すると同時に水分を保つ役目を持っています。しかし、角質層はとてもデリケートなので、空気の乾燥や皮膚を擦ったりしただけで傷ついてしまいます。角質層が傷つくことで皮膚のバリア機能がなくなり、皮膚から水分がどんどん蒸発してしまいます。こうして、いわゆる乾燥肌ができあがります。

つまり、乾燥からくる痒みの原因は、角質層のバリア機能がなくなり、乾燥した部分が敏感になり、外からの刺激を痒みと感じやすくなるからです。
このような状態になると、動物は痒みを我慢できずに、痒い→掻く→角質層のバリア機能が壊れる→痒みの悪化、という負のスパイラルに陥ります。犬の表皮はヒトの半分くらいの厚さなので掻くことに弱いです。

もう1つ、年齢を重ねると皮膚の細胞のターンオーバーのサイクルが悪くなり(正常で3週間)、みずみずしい皮膚の細胞が作れなくなるのも、痒みの原因の1つです。代謝の悪い皮膚細胞は外部のアレルゲン、花粉、ハウスダストマイト、ほこりなどの影響を受けやすくなります。

乾燥の対策としては、毛のある犬や猫の1番はシャンプーです。皮膚のコンデションに合ったシャンプーをぬるま湯で使用し、セラミドの入った入浴剤を使用すると効果的です。

実際の方法は、こちらもご参考にしてください
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