No.214 梅雨と夏の温度と湿度 

今年も蒸し暑い日が続いています。この時期に犬や猫を体調不良から守るには、室温23℃以下・湿度(相対湿度)40%が理想です。しかし実際にはこの数字は難しいので、室温25℃以下・湿度50%以下(最低でも60%以下)を目指してください。

特に湿度が重要です。湿度が60%以上になると、各種の細菌や真菌(カビ)が被毛の根本や毛穴、皮膚、外耳で増殖し、皮膚や外耳のトラブルを起こしやすくなります。そのため6~8月は皮膚炎、外耳炎が多発します。エアコンにはドライ機能があるものが多いですが、室温だけが下がり過ぎて、湿度が下がっていない場合が多々みられます。できれば湿度計を用意していただくのがベターです。湿度が下がり過ぎるとヒトの喉が乾燥するので40%以下にはしない方が良いです。温度が高い方が空気中に含むことができる水蒸気量(飽和水蒸気量)が多くなるので、湿度50%でも、室温が30℃と10℃の時は空気中に含まれる水分量は3倍以上違います。

世界にいる犬や猫のほとんどは、進化の過程で25℃以下の環境で過ごしてきたと考えられています。現在の横浜市の夏ような30℃を越える環境は、犬や猫にとても厳しい環境です(いつも野良ネコちゃん、地域ネコちゃんたちを心配してます)。温度の上昇によって、汗をあまりかけない犬や猫では、呼吸による体温低下が難しくなります。そのため、熱疲弊によって、皮膚炎だけでなく、循環器疾患、呼吸器疾患なども悪化しやすくなります。とくに、パグやブルドッグのような短頭種、黒い被毛の動物、高齢動物は注意が必要です。


短頭種は暑さに注意!

こちらもご参照下さい
No124夏に気をつけたいこと