No.311 齧歯類と爬虫類の膿瘍

ウサギ、ハムスター、ジリス、モルモット、チンチラ、デグーなどのげっ歯類や、亀やトカゲなどの爬虫類では、皮下に膿が出来ると犬や猫と違い、膿が拡散するのを防ぐためにカプセルの様に膿を皮下組織で封じ込めて嚢を作ります。これを皮下膿瘍といいます。膿はチーズ様で固く、膿の固さとカプセルのため、犬や猫よりも膿の洗浄の効果が低く、注射や飲み薬などの薬も効きにくいです。またどんどん大きくなるため、場所によっては生活にも支障が出てきます。

尖った牧草を刺してしまったとかの外傷や咬傷などからが多いですが、歯牙疾患による歯根の感染(→No135ウサギの不正咬合)によるもの、ソアホック(→No303ウサギのソアホック)から、爬虫類だと中耳炎からも発生します。

治療は、抗生剤の全身投与を行うとともに膿瘍を切開して排膿・洗浄しますが、外科的に嚢ごと摘出するのが早期治療につながります。しかし原因が改善されな場合は根治が難しいです。とくに、齧歯類でよくみられる、歯牙疾患からの歯根の感染が原因の場合、膿瘍は骨を融解しながら進行し、病巣が骨にも及んで来るため治癒率が著しく低くなってしまいます。病巣が骨と遊離している場合も慎重な治療が必要となります。また、膿を放置するとDIC(→No144 播種性血管内凝固症候群)の状態になって命にかかわる場合があります。早期に発見して適切な治療が必要です。


頬の皮下膿瘍のモルモット