No.357 犬の眼瞼炎

眼瞼炎は、結膜炎とは違い瞼(まぶた)の周りの皮膚の炎症をいいます。アレルギー・細菌・真菌・寄生虫・皮膚病・免疫介在性・眼瞼に生じる腫瘍に続発・外傷性・交通事故・咬傷による外傷などが原因にあげられます。細菌感染では眼瞼の肥厚と発赤を引き起こし、粘液と膿を産生します。

症状は、痒みがあり、眼の周辺の毛が抜け赤く腫れます。炎症が進むと湿疹ができ、化膿する事もあります。皮膚の疾患に似ている症状です。前足で瞼に触って頻繁に眼をパチパチとする動作を繰り返します。

上下左右同時など、瞼全体に起こる場合は免疫介在性の眼瞼炎を疑います。本来なら体を守るための機能である免疫が過剰に働きすぎて、自分の組織を攻撃してしまっている状態です。眼瞼の縁に形成された痴皮(かさぶた)が除去できない場合には上下の眼瞼が凝着する場合もあります。

眼瞼炎が他の病気によって引き起こされたのであれば、その病気の治療をおこない、併せて瞼を治療します。目の周辺をなるべく清潔にし、点眼薬などを用います。免疫介在性の眼瞼炎の場合では免疫を抑えるステロイド剤を使用しますが、場合によっては高用量が必要になる事があります。ステロイド剤の投与を止めるとすぐに再発してしまう事が多いので、少しずつ減らして行きます。


免疫介在性眼瞼炎