No.405 小鳥の出血

セキセイインコや文鳥などの小鳥は少しでも出血すれば緊急状態です。鳥の血液量は体重10%ほどと言われています。そのうちの10%、体重の1%が安全出血量と想定されています。

例えば、平均体重(25~30g)のセキセイインコなら、安全出血量は約0.25~0.3mlです。1滴が約0.05mlなので、5~6滴出血すると危険領域です。1秒で1滴出血した場合、5~6秒で死亡する可能性があるということです。このため血液検査もリスクがあります。

小鳥に出血が起こる場面は、打撲時の内臓出血、筆羽(ひつう)出血、爪出血、胃出血、口腔内出血、鼻出血、採血、外科的処置などです。この中でご家庭で起こりやすいのは、筆羽出血、爪出血です。

筆羽出血:筆羽とは生えてきて間もない鞘(さや)に包まれた若い新生羽のことです。鳥の羽の成長スピードはものすごく早いのですが、そのスピードで成長できるのは血液から栄養を大量に供給されているからです。この血液を筆羽に送っている太い血管が筆羽の中心に走っています。筆羽が途中で折れてしまうと血管が破れて出血します。クリッピング(羽切り)の失敗でも起こります。筆羽は見つけにくいときもあるのですが、もし出血している筆羽を見つけることができたら、引っ張って根元から抜いてください。通常出血はすぐに止まります。

爪出血:爪を深く切りすぎると出血します。止血するのにはクイックストップという商品があると便利です。ペットショップで購入できるので、お家で爪切りをされる方は、1つ持っておくことをオススメします(犬や猫、ウサギなどの方も)。クイックストップは指に乗せて出血している爪の断面に塗り込みます。

出血が止まっても必ず病院での診察を受けて下さい。見た目には元気そうでも貧血が進んでいる場合があります。また、再出血は命にかかわります。


クイックストップ