No.369 緑内障 (Glaucoma)

眼の中には眼房水という液体が循環しています。その働きは、眼の各部位へ酸素や養分を運搬することや老廃物を除去することです。また、眼球内の圧(眼圧)を保ち、眼球の形を保持する役割も担っています(硝子体という部位も関係しています)。眼房水の産生量と排出量が一定であることは、眼圧を保持するために重要なことです。様々な理由からその排出量が減少すると眼圧は上昇します。

緑内障は、眼圧上昇が主な原因となり視覚障害が進行していく病気です。原因に伴って二次的に眼圧が上昇する場合と、もともと素因を持っている動物が発病してしまう場合があります。主な初期症状は、眼が大きくなる、眼の充血、涙の増加、眼をしょぼしょぼする、こするなどの違和感や、眼の痛みを訴えることなどです。もしも、高い眼圧のまま1日以上経過してしまうと視覚を喪失してしいます。そのため、緑内障の発症に気が付いた際には、すぐに治療を開始する必要があります。ただ、早期治療が功を奏する場合ばかりではありません。

緑内の治療をする際、全身状態とともに眼圧上昇の原因を考えます。原因が判明すればその治療法を検討しますが、まずは眼圧をコントロールする治療を開始します。一般的な治療は、眼圧降下作用のある点眼薬のうち、最も適したものを選択して使用することです。必要ならば、眼圧降下作用の期待できる薬剤を注射することもあります。痛みの軽減や併発症に対する治療も行います。また、他方の眼に、発症リスクがあると判断されれば、予防的な点眼を始める場合もあります。すでに視覚を喪失し、回復の見込みがない場合は、痛みの除去と眼球の形状を保持する方法を考えます。レーザー治療、シリコンボールの挿入、眼内への薬物注入などの方法があります。実際には点眼治療によって、視覚よりも眼球形状の維持に努めるケースの方が多いです。


大きくなっている右眼が緑内障です