No.441 チンチラに多い疾患

チンチラはツンデレで慣れるととても可愛く、昔から人気があるペットです。野性ではアンデス山脈の寒い荒れた岩場で粗食(低木草・根・樹皮~サボテンの根・葉など)で群れで暮らしています。臆病で神経質で好奇心旺盛、耳が良く音に敏感で、高温に弱い動物です。また、長生き(平均寿命10-17年)で、妊娠期間が長く(105-118日)、 抗生物質に弱いのが特徴です。

よくある疾患は、
・胼胝:踵の角質層の増殖、ほとんどのチンチラでみられます
・骨折:ケージの金網に四肢を引っかけて起こることが多いです
・熱中症:理想温度10-20℃、理想湿度<50%です
・ペニス脱:被毛やゴミが絡んで起こります
・ファースリップ:精神的な恐怖から被毛が抜け落ちることがあります
・子宮蓄膿症:尿に血が混じる事から発見されることが多いです
・不正咬合:すべての歯が常生歯のためイネ科の牧草(チモシー)などで摩耗が必要です
・う蝕:虫歯が多いです
・毛球症・胃の鬱滞:被毛の手入れ、ラキサトーンなどでの予防が重要です
・尿路結石:水分摂取が少ないと起こりやすいです
・抗生物質関連腸炎:クロストリジウム菌が増え大腸炎から全身状態が悪化する場合があります
・皮膚糸状菌症:鼻、眼、耳介周囲、あるいは前足に脱毛とフケがみられ、特に鼻の周りによく発症します。砂浴びで蔓延し、ヒトにうつる場合があります。

チンチラはこのような疾患に注意してください。


皮膚糸状菌症のチンチラ