No.233 冬の乾燥と痒み

気温が低くなると血行が悪くなり、被毛や肌細胞に栄養が届きにくくなります。また、冬は皮脂膜も減少します。さらに、空気の乾燥により、被毛や肌の水分量が減り、皮膚表面に微細なひび割れができて、皮膚のバリア機能が低下します。バリア機能が低下すると、外部からの刺激を防ぐことができないため、刺激を受け続け、痒みの神経が皮膚の表面近くまで伸びてきてしまうことから、ちょっとした刺激でもかゆくなる、痒み過敏の状態になってしまいます。

室内でも、冬になると空気が乾燥する上に暖房が欠かせません。しかし、普通のエアコンは空気を暖めるだけなので、ますます湿度が低下してしまいます。そのような状態が続くと乾燥肌トラブルにつながります。できれば加湿器を使用してください。冬の犬や猫の室内の適温は、年齢や健康状態によっても異なりますが、目安は18℃~22℃、湿度は45%~60%です。この湿度にきちんと加湿するには、8畳のお部屋なら16畳分の加湿器が必要だといわれています。とくにマンションは乾燥しやすいので注意して下さい。また、電気こたつや電気毛布、ペットヒーターなどはかゆみがひどくなりがちなのと、使用を誤ると低温火傷のおそれがあるので注意しましょう。

また、冬はシャンプーにも注意が必要です。熱い温度のシャンプーや長時間の入浴は、皮脂や角層の保湿成分が奪われ、被毛もパサパサになります。ゴシゴシこすると、被毛も痛めるし、肌表面の皮脂膜を剥がし、角層を痛めてしまいます。優しく洗うようにしましょう。タオルドライ時も、なるべく、ふかふかのタオルを使用して下さい。

シャンプー中は角層に水分が入り込み、肌は一時的に潤いますが、お湯によって肌がふやけ、角層の細胞の間にゆるみが生じていますので、よりお肌の中の水分が逃げやすい状態になっています。シャンプー後はできるだけ早く、保湿剤を使って水分が逃げないように蓋をしてあげてください。当院では、ヒト用入浴剤のキュレルやフェルゼアをリンスやコンディショナーのように使うことを推奨していますが、被毛や肌に合えば何でも良いです。迷われる場合はご相談下さい。


キュレルの入浴剤

こちらもご参照下さい
→No161 乾燥と痒み