No.149 膝-乳歯症候群 (KaTS)

近年、猫の膝蓋骨(膝のお皿)の骨折の報告がヨーロッパで増えてきています。多くは1~3歳の雄猫に起こり、そのうちの多くの猫には乳歯遺残か埋伏歯(萌出しない歯)があり、永久歯がきちんと生えていない症例があることが指摘されています。一見、乳歯と膝の骨折は何の関係もないように思われそうですが、統計上、関連性が示唆されています。根本的な原因は不明です。

KaTSの注意点は多くの症例で膝蓋骨骨折が両側性に起こることです。また、高齢猫では他の部位の骨折も起こっていることがあります。

主な症状の多くは跛行で、無症状~重度まで様々です。

治療法は内科的な保存療法と外科的な方法と議論がありますが、現在のところ、症状が軽度の場合は保存療法、重度であれば外科的な治療が推奨されています。いずれにしても、乳歯遺残があった猫ちゃんは膝蓋骨骨折に注意しましょう。