No.44 犬のスキンケア2

角質層は皮膚にとって重要なバリアです。正常な角質層を保つには

・細菌(ぶどう球菌)や真菌(マラセチア)が増えすぎない

・水分、脂分を保つ

・侵入物を防ぐ

ことがポイントとなります。問題のある角質層は、

・細菌(ぶどう球菌)や真菌(マラセチア)が増殖→ブツブツ、カサブタ、ベタベタ

・水分、脂分を保てない→フケ、カサつき、ベタつき

・侵入物を防げない→痒み、炎症

この様な状態にならないように、以前のシャンプーの項でも少し触れましたが、

『肌を見極めてシャンプーを選択』『角質層によく作用するやり方でシャンプーする』

ことが大事です。

上記を参考にして、以下の様にシャンプー剤を選びます。

・細菌(ぶどう球菌)や真菌(マラセチア)が増えやすい場合→抗菌性シャンプー

・ベタつき、湿ったフケが出やすい、皮膚が肥厚している→角質溶解性シャンプー

・カサつき、乾いたフケが出やすい→保湿性シャンプー

・皮膚が刺激を受けやすい(痒みが出やすい)→止痒性シャンプー

抗菌作用が期待できる主な成分は、クロルヘキシジン、乳酸エチル、過酸化ベンゾイル(若干刺激が強い、猫はダメ)、ポピドンヨード(若干刺激が強い、猫はダメ)、ティーツリーオイル、ヒノキチオール、単糖類などです。処方されないと使用できないものも多いですが主な製品を挙げておきます。マラセブシャンプー、ノルバサンシャンプー、エチダン、ビルバゾイル(猫はダメ)、薬用ヨードシャンプー(猫はダメ)があります。

角質溶解が期待できる主な成分には、硫黄、サリチル酸、コールタール(猫はダメ)、二硫化セレン(皮膚はドライとなります。猫はダメ)、過酸化ベンゾイル(皮膚はドライとなります。猫はダメ)があります。主な製品はホスティーンS、ケラトラックス、ビルバゾイル、カニマールワン(猫はダメ)、セリーングリーン(猫はダメ)、セデルミン(猫はダメ)、薬用コールタールシャンプー(猫はダメ)などがあります。角質溶解性シャンプーはかなり皮膚を乾燥させます。状況に応じて、シャンプー後に保湿が必要です。コンデショナーや次の保湿性シャンプーを併用します。個人的にはヒトの入浴剤のキュレル、フェルゼアもお勧めです。

保湿を期待できる主な成分には、グリセリン、脂肪酸、乳酸、尿素、プロピレングリコール、リピジュア、マイクロパール、セラミドなど、多数あります。主な製品はセボダーム、ヒュミラック、アデルミル、オーツコンディヨナー、ヘルスラボシャンプー、ヂュクソシャンプー、スキンコートシャンプー、ブルーシャンプー、ヒノケアなどがあります。前述したキュレル、フェルゼアなどもお勧めです。

痒みを止める成分としては、オートミール、アロエベラ、コールタール(猫はダメ)、ヒドロコルチゾン、グリチルリチン酸ジカリウムなどがあり、製品としては、オーツシャンプーエクストラ、エスピース、アロビーン、ResiCort(国内未発売)、ヒノケア、薬用コールタールシャンプー(猫はダメ)などがあります。ヒト用の製品ですが有名なメリット(グリチルリチン酸ジカリウム入り)も使用することがあります。

次回は実際のやり方です。