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No.482 熱疲労と熱中症

熱中症は、高温や高湿度の環境下で体温が上昇し、体内の水分や電解質のバランスが乱れて起こる症状の総称です。主な症状にはめまい、頭痛、吐き気、動悸、パンティング、などがあり、重度の場合は、筋肉痙攣、意識障害や臓器障害が出て命に関わります。一方、熱疲労とは、高温や高湿度の環境下で生じる疲労や不快感のことです。はっきりと症状は現れず、何か怠そうだなとか、少し元気がないなという状態が一般的です。一見健康そうにみえますが、これは熱中症の前段階です。熱疲労と熱中症の違いは、主に症状の程度や重篤さにあります。定義は曖昧ですが、簡単に言えば熱疲労がひどくなったものが熱中症です。

動物はヒトよりも熱疲労や熱中症を発症しやすいです。体内で発生した熱は血液にその熱を移します。熱い血液は体表の皮膚近くの毛細血管に広がり、熱を体外に放出することで、温度を下げ冷えた血液が体内に戻っていくことで体を冷やします。体が熱くなると皮膚が赤く見えるのは、皮膚直下の血管が拡張してたくさんの血液をそこで冷やしているからです。また、ヒトでは主に汗をかくことによって熱を下げますが、汗腺が少なく被毛に覆われた動物は体温を下げるのが苦手です。動物は主に呼吸によって体内の熱を外に出そうとしますが、その時に外気温が高いと、また暑い空気を吸ってしまい悪循環となります。高温、多湿、風が少ない、アスファルトの上などの照り返しの強い環境では外気への熱放散がより減少します。幼体や高齢、持病がある場合、短頭種、被毛色が濃い場合はよりリスクが上がります。

また、よくあるトラブルは、風が入るから大丈夫とエアコンを点けない。夜はエアコンを止めてしまう。冷房が効いた部屋があるのに暑い部屋にずっといて、そのまま熱中症になってしまうケースです。動物は暑いから涼しい部屋に行こうと思わない場合があります。とくに猫で多くみられます。1年経つと犬猫でもヒトの年齢でいえば4-5歳の歳を取っています。去年大丈夫だった環境が今年はダメという場合は多々あります。

個体差もあり、あくまで目安ですが、次頁の快適な温度と湿度をご参考にしていただいて、動物もヒトも事故の無いように夏を乗り切ってください。

夏場に推奨される室温と湿度の目安(24時間この環境が推奨されます)
犬:室温20~24℃、湿度40~60%
猫:室温20~25℃、湿度40~60%
フェレット:室温15~24℃、湿度40~60%
ウサギ:室温16~22℃、湿度30~60%
チンチラ:温度15~20℃、湿度30~40%
モルモット:室温18~24℃、湿度50~60%
ハムスター:室温20~26℃、湿度40~60%
セキセイインコ・オカメインコ:室温20~28℃、湿度40~60%
文鳥:室温25~28℃、湿度50~60%
ヒト:室温25~28℃、湿度50~60%


熱疲労・熱中症に注意してください

こちらもご参照下さい
No.438 冷房病と熱中症
No.124 夏に気をつけたいこと
No.85 涼しくしてあげてください
No.73 夏のトラブル
No.19 熱中症、熱射病


No.481 猫のゴロゴロ

猫がゴロゴロ喉を鳴らすのは、行動学では「喉鳴らし」、英語では「ピュリング」、フランス語では「ロンロン」などと呼ばれ、声帯を震わせて鳴らしていると考えられています。普通の声と同時に鳴らすことができるのが特徴で、ニャーニャー鳴きながらゴロゴロも発することができます。喉をゴロゴロと鳴らすのは生後2日目からであると言われています。生まれたばかりの子猫は視覚や聴覚が発達していないので、母猫は子猫に近付く時にゴロゴロと喉を鳴らして「ここにいますよ」「ミルクを飲みましょうね」などとサインを送ります。そして、子猫は「お腹空いたよ」「早く来て」とお返しゴロゴロをします。このように、ゴロゴロは母猫と子猫のコミュニケーションの1つであるとされています。

猫のゴロゴロ音には自律神経やホルモンバランスを整える効果があります。ゴロゴロ音の周波数は25ヘルツの低周波です。20~25ヘルツの音は副交感神経を優位にする働きがあります。副交感神経が優位になるとリラックスしたり、ハッピーホルモンと言われるセロトニンの分泌を促進します。一般的には機嫌が良いとき、リラックスしている時に鳴らすことからヒトの笑顔のような感覚に近いと考えられています。

また、ヒトの血圧を下げたり、不安を和らげたり、ストレスをなだめたりする効果があるので、免疫力や自然治癒力を高める副作用のない薬とまで言われています。日本でもセラピーキャットが医療や介護の現場で活躍し始めています。ゴロゴロ音の効果だけでなく、猫のように好き勝手にしたいな、自由にしたいなと憧れたり、自己投影したりすることで、がんじがらめになって病んでしまった人たちを癒しています。また、逆セラピーといって猫の世話をすることによってヒトの患者さんの癒しにつながることがあります。癒し癒される関係になり、絆が深まることで感情の交流が生まれ、回復や治癒につながるケースも少なくありません。

その他にもゴロゴロ周波数は、骨の形成を促進したり強化したりする周波数とほとんど同じであるとされています。骨に刺激を与えて新陳代謝を活発にする働きがあります。昔から猫は骨折をしても他の動物より早い速さで回復することは知られていて、人医学界では、ゴロゴロ音の周波数からヒントを得た超音波による医療器が開発され、骨折治療に使われています。ベッカム選手や松井選手が使用した事で話題になりました。


ゴロゴロは母猫と子猫のコミュニケーション


No.480 膀胱内の腫瘤

血尿や頻尿などの検査で膀胱内に腫瘤(Mass)が見られる場合があります。膀胱内の腫瘤が悪性のものであった場合、ほとんどが移行上皮癌です。移行上皮癌は転移性・浸潤性が強く悪性度の強い癌です。膀胱内部の粘膜表面の細胞である上皮細胞は伸び縮みができる移行上皮と呼ばれる種類のものです。その移行上皮細胞が癌化したものが移行上皮癌です。移行上皮癌は膀胱三角と呼ばれる、膀胱内部の左右にある尿管の穴と尿道の穴を結ぶ三角形の領域に発生しやすいといわれています。また一方で、慢性膀胱炎などが原因でできる良性の膀胱内ポリープもあります。

初期症状はどちらも似ていて、血尿や頻尿といった膀胱炎症状が一般的です。膀胱内に腫瘤をみつけたら、まずはその腫瘤が何者なのかを調べます。診断するためには、カテーテル吸引生検による細胞診を行います。膀胱内病変の位置に、尿道より挿入したカテーテルの先端をキープし注射器で吸って陰圧をかけ細胞を採取します。大型犬であれば、膀胱鏡(内視鏡)で組織を採取可能です。

その後、取れてきた細胞の異型性などを病理専門医によって細胞診を行います。これは、悪性腫瘍が疑わしいのかどうかの検査であって、確定診断はあくまでも組織検査となります。また現在では、細胞のBRAF遺伝子(V595E)の変異の有無を検査することで、完璧ではないもののかなりの確率で移行上皮癌が検出できるようになりました。

治療は、悪性腫瘍の疑いが低ければ内科的に抗生剤や消炎剤で経過観察します。悪性腫瘍が疑われるなら早期の外科手術、疑いが低くても内科的な治療に反応しない場合は外科手術が推奨されます。 移行上皮癌は化学療法(抗癌剤)ではなかなか効果がみられません。獣医界では非ステロイド抗炎症薬(NSAID)のピロキシカムという薬がよく使用されます。また、近年では副作用の少ない分子標的薬も使われだしています。


膀胱内のMass


No.479 プロドラッグとアンテドラッグ

プロドラッグとは、体内に入ってから患部に到達するまでの間に、薬効成分が分解されないように化学構造を変換した薬です。投与前はほとんど活性化していない状態、もしくは不活性の状態ですが、投与後に体内で起こる代謝によって本来の薬効を示すようになります。薬物送達システム(Drug Delivery System:DDS)という、疾患部位に必要な薬効成分が、適切な時間のみ作用するように調製する技術を利用して作られる薬の一種です。インフルエンザの時に使用されるタミフル(オセルタミビル)が有名です。また、DDSを利用したその他の薬には放出制御製剤(コントロールドリリース製剤)が挙げられます。

アンテドラッグは、ソフトドラッグとも呼ばれ、特定の部位でのみ強く作用し、体内に吸収されることで急速に不活性化し効果を失う薬剤のことです。こちらも、薬の分子構造に工夫を加えることで製造されます。アンテドラッグの代表的な薬には各種のステロイド薬があります。

このように、プロドラッグとアンテドラッグとは逆のメカニズムによって作用していますが、どちらも副作用の軽減や、薬が必要な部位への吸収率を上げる事、薬の持続時間を調節する事などを目的に使用されます。まだまだ獣医界での研究や報告は少ないですが、これから使用頻度は増えていくと考えられます。


プロドラッグ タミフル


No.478 猫との散歩

近年、都会では犬と猫の飼育頭数が逆転し、犬の様に猫と一緒に屋外を散歩をされる方も多くなってきました。固体差はありますが、リードを嫌がらず中には散歩を楽しみにしている猫もいます。可能なら小さい頃からリードに慣れさせておくのがベストです。散歩には首輪よりはハーネスの方が良いです。猫も安心するし首輪が抜けて逃亡したなどという事故も防げますし、猫が引っ張った時に気管が締め付けられることもなく快適です。

散歩するのが好きな猫は嬉しそうに飼主さんの後をついて来ますが、エンジョイ出来ない場合には無理は止めましょう。また、屋外では飼主さんがコントロールしている事を忘れずに、都会で交通量の多い街では、驚いた猫が急に走り出したりして逃亡や交通事故の原因になる場合があります。必ず適切なリードとハーネスを用いましょう。

リードを使った散歩は、四肢のストレッチや運動不足解消など以外にも、様々な音を聞いたり、新しい匂いを嗅いでおもしろいものを見つけたり、猫にとって良い経験、刺激となります。また、芝生、土、砂利石、タイルや道路などをパットで触知して、パットから出るフェロモンをそこに残していきます。散歩中のパットへの刺激は屋内とはくらべものにならないほど多彩です。

慣れないうちは、くれぐれも猫が刺激に圧倒されて散歩が嫌にならない様に、最初は短い時間、場合によっては抱っこから始めましょう。猫好きのヒトが急に触ってくるのにも注意して下さい。また、犬の散歩と同様に外気温や湿度にも十分な注意が必要です。


ハーネスは子猫のうちから


No.477 犬の環椎軸椎亜脱臼 (環軸亜脱臼)

脊椎のうち第一頚椎を環椎、第二頚椎を軸椎といいます。通常、脊椎と脊椎は椎間板が間に挟まってクッションの役目を果たしていますが、環椎と軸椎の間には椎間板が存在しておらず4つの靭帯によって支えられています。生まれつき、あるいは外傷などによってこれらの靭帯の形成に異常が起こると、環椎と軸椎が亜脱臼を起こし脊髄が圧迫を受けます。このような状態を環椎軸椎亜脱臼 (環軸亜脱臼)といいます。

犬の環軸亜脱臼は大半が生まれつきの靭帯形成異常によるもので、半数以上が1歳未満に初期症状を示します。中には成犬、老犬になってから、怪我や激しい遊びなどによって症状が起こる事もあります。原因が不明の場合もあります。大多数がチワワ、ポメラニアン、マルチーズなどの小型犬種で発症しますが、中型犬以上でも認められる事があります。猫ではあまり起こりませんが、馬やラクダなど様々な動物種で報告があります。また、肥満は悪化因子です。

主な症状は、頭部を動かすと激しい痛みを感じ、頭や頚を触られることを嫌がります。抱っこをすると痛がる場合もあります。症状が軽い場合は軽い麻痺やナックリングだけの場合もあります。骨と骨が不安定なので些細な運動や衝撃で急激に症状が進んでしまう場合もあります。重症化すると起立不能となり、呼吸筋に麻痺が出ると呼吸困難になって生命に関わる様になります。

診断には頸椎のレントゲン検査、場合によってはCT、MRI検査が必要ですが、頸椎が不安定な可能性がある犬に対しては細心の注意が必要です。レントゲン写真上は本症のように見えても、MRIやCT検査で頭蓋骨と環椎の間の関節に起こる別の異常であると判明する事もあります。

症状が軽度であったり若い犬の場合には、安静と頚のコルセットを数週間装着する事で症状に改善が見られる事がありますが、外科手術によってこの2つの頸椎を固定する方法が最も有効な治療方法です。骨に特殊なピンを数本挿入して骨セメントで固める方法が成績が良いですが、犬の大きさや年齢によっては骨が柔らかすぎて手術が困難な事もあります。術後は骨同士が癒合するまでの間(6-8週間)安静が必要です。


犬の環椎軸椎亜脱臼


No.476 逆流性食道炎

逆流性食道炎とは、様々な原因により、胃酸が逆流して食道に炎症や潰瘍が生じる疾患です。好発犬種として、パグ、ブルドッグ、フレンチブルドッグなどの短頭種が挙げられますが、どんな犬種にも起こりえます。逆流性食道炎を生じるリスク因子として、短頭種、喉頭麻痺、麻酔後、食道裂孔ヘルニアが挙げられます。

短頭種(パグ、フレンチブルドッグ、ブルドックなどの鼻の短い犬種)
呼吸器疾患を持つ短頭種には消化器症状を呈する犬が著しく多いことが示されています。短頭種が生じやすい消化管疾患として、食道炎、逆流性食道炎、胃炎、胃粘膜過形成、食道裂孔ヘルニアが挙げられます。

喉頭麻痺
喉頭麻痺を発症した多くの犬は逆流性食道炎を発症します。重度な場合は全身性の神経障害を発症することもあります。

全身麻酔後
全身麻酔を実施した後の犬の16%に逆流性食道炎が生じるといわれています。特に高齢の犬で発症することが多いです。

主な臨床症状としては以下の様なものがあります。
・吐出
・嘔吐
・間欠的な食欲不振
・唾液量の亢進
・口臭(食道の著しい炎症と壊死組織による)
・発咳

確定診断は食道の内視鏡検査により行われますが、内視鏡を実施するためには全身麻酔が必要なので、多くの場合は臨床症状に基づいて治療を開始します。内視鏡検査では縞状の潰瘍病変を認めます。また喉頭に潰瘍を起こしている場合は、咳などの呼吸器症状を呈することがあります。

治療は、基礎疾患がある場合はその治療を行います。内科治療により良好に反応してくれることが多いです。内科治療の選択肢として以下の薬剤が挙げられます。

潰瘍部保護剤
炎症や潰瘍部を覆うように保護し治癒を促進します。スクラルファートという懸濁液(シロップ)が使用される事が多いです。

消化管運動促進薬
食道の下の部分に位置する下部食道括約筋の働きを亢進し胃酸の逆流を防ぐ薬です。エリスロマイシン、メトクロプラミド、モサプリドなどがあります。

胃酸分泌抑制剤
胃酸分泌を最小限に抑えることを目的として使用することがあります。ファモチジン、オメプラゾール、ランソプラゾールなどの薬剤を重症度や状況に応じて使います。


短頭種の全身麻酔時は逆流性食道炎に注意です

こちらもご参照下さい
No.117 全身麻酔 (General anesthesia)
No.26 嘔吐と吐出


No.475 開放骨折(複雑骨折)

解放骨折とは、骨折した骨が体の外に開放されている状態の骨折のことです。主に交通事故や転落事故によって四肢の骨や指の骨に起こります。皮膚を突き破って出てきてしまった骨が細菌感染などより汚染され、骨の治癒能力が低下し治療が複雑となることから複雑骨折とも呼ばれます。骨折治療のみならず、感染に対する治療も必要ですから、単純な骨折と異なり手術法の選択肢も少ないうえに難易度が高く、長期の治療(場合によっては年単位)が必要な場合が多いです。とくにGolden hourと呼ばれる受傷後6~8時間までの処置を外傷性ショックの治療と共にきちんと行う事がとても重要です。また、放っておくと敗血症や播種性血管内凝固症候群(DIC)などで命を落とします。

解放骨折は、外固定(ギブスや副木など)のみで治癒することは困難です。基本的にはプレーティング、ピンディング、創外固定などの内固定と外固定を組み合わせます。そして、何よりも感染のコントロールが重要です。

Golden hourに適切な処置が出来なかったり、手術を行っても感染のコントロールが上手くいかなかったりした場合は、残念ながら断脚が必要になります。断脚は悩ましい処置ですが、命を優先という事を考えると決断が必要な場合もあります。とくに、治癒能力が落ちている高齢動物やエキゾチックペットの骨折の場合では選択される事が多いです。動物は基本的に3本脚になっても上手に歩いてくれます。長い苦しみよりはQOLは断然に上です。


猫の解放骨折

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No.180 ロッキングプレート (Locking plate)


No.474 趾間膿胞(しかんのうほう)

趾間膿胞は趾間の感染症から生じます。皮膚深部の細菌感染により腫瘤が形成されます。軽度の感染から炎症が進行し、症状が進行すると疼痛が出て排膿します。

動物が患部を舐めたり咬んだりすることで悪化するので、患部を清潔に保つことは大変困難です。趾間に短い剛毛質の毛を持つ犬種、ダックスフンド、イングリッシュ・ブルドッグ、ラブラドール・レトリバー、シーズーなどによく起こりますが、どの犬種にも発生します。猫では稀です。

原因は、歩行時に毛包内に毛が逆に入り込むことが元になって、毛包の深部で炎症を起こしたり、散歩中に尖った植物の種などの異物が入り込んでしまい炎症を起こすといわれています。また、アトピーや犬の毛包虫症、真菌症、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症、自己免疫疾患などが原因となっていることもあります。

内科的な治療は、舐めることを止めさせ細菌の二次感染を防止します。皮膚が治癒するまでの間はエリザベスカラーや包帯で舐める行為を防ぎます。抗生剤やステロイド剤による長期間の薬物療法も必要です。抗生物質が膿胞内に侵入するのは困難であるため8週間以上の抗生物質による治療が必要になることがあります。そのため外科的な切除が最も有効な治療です。小さいうちなら局所麻酔での切除も可能です。アトピーや毛包虫症、ホルモン疾患などの原因が関与する場合には、その治療も行います。趾間膿胞は同部位や他の部位で再発することもあります。

予防は、肉球の間や指の間を清潔に保つようにします。足の裏の毛をカットする。散歩の後に足先を拭く、足浴もオススメです。犬や猫は唯一肉球にだけ汗をかきますので、日常的にこまめに手入れをして細菌が繁殖しないようにすることが重要です。肥満傾向の場合は減量も効果的です。


趾間膿胞

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No.382 皮膚のしこり(結節)2
No.381 皮膚のしこり(結節)1
No.79 犬の副腎皮質機能亢進症(Cushing’s syndrome)
No.77 犬の甲状腺機能低下症 (Hypothyroidism)


No.473 ジャーキーの過剰摂取

ジャーキーの過剰摂取により犬や猫に腎疾患(ファンコーニ様症候群)が起こることが知られています。最初はアメリカからの報告でしたが日本でも確認されています。なぜかあまり報道されていませんが中国の工場で作られたものに多いとされています。大手メーカーでも中国の工場で生産されている製品に注意して下さい。袋の裏面まで見ないとわからない場合が多いです。

ファンコーニ症候群とは腎臓の近位尿細管障害により糖やアミノ酸、が尿中に排泄されてしまう状態を言います。遺伝性疾患(バセンジー)の他には何らかの腎障害を引き起こす物質の摂取や感染症が原因となります。初期には多飲多尿がみられますが、高血糖をともなわない尿糖が起こるため他に血液検査に異常がないことが多く、進行していくと体重減少や毛艶の悪さ、元気消失、食欲不振、嘔吐などの腎不全の症状が見られます。また、尿糖により膀胱炎などの尿路の感染症も起こりやすくなります。重症化しなければ、通常摂取を止めると2~3ヶ月で治癒しますが、重症になると死亡例も多くあります。

ジャーキーの過剰摂取に関しての腎障害の原因物質は明らかにされていませんが、おやつの与え過ぎには注意しましょう。また、とくに安い製品には注意して下さい。


大手メーカーの製品も生産地に注意です

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No.472 ヒトの薬で犬や猫にとって危険なもの
No.408 ニコチン中毒
No.396 ユリ科の野菜の誤食
No301 慢性腎不全(CKD)の推奨される治療
No.300 慢性腎不全(CKD)のステージ分類
No.119 テフロン (Teflon)
No.9 犬、猫に与えてはいけない食品、薬