No.424 高Ca(カルシウム)血症

血液中のCa値は、頸部にある上皮小体から出るPTH(上皮小体ホルモン)で調整されています。正常動物ではその値は約10mg/dlに保たれるようにPTHが調整しています。体内にあるCaは99%が骨や歯などの硬組織中に存在し、残りの1%が、血液、細胞、神経などの軟組織に存在します。軟組織に存在するCaは、イオン化しているCaが約50%で、このCaイオンが生物学的活性を持っています。イオン化Ca濃度は非常に厳密に、活性型ビタミンD、P(リン)、PTHでコントロールされています。Pの上昇は、Caを上げないように働きかけます。PTH以外にも、PTH-rp(PTH関連ペプチド)や破骨細胞活性化因子が血中Ca濃度に影響を与えます。

高Ca血症の主な原因は、
犬:
上皮小体機能亢進症
悪性腫瘍(リンパ腫、肛門嚢アポクリン腺癌、多発性骨髄腫など)
副腎皮質機能低下症(アジソン病)
ビタミンD中毒
猫:
原因不明(特発性高Ca血症)
悪性腫瘍(リンパ腫、扁平上皮癌など)
CKD(慢性腎臓病)
です。

症状は、高血圧や、不整脈、神経障害、体内の石灰化から、食欲不振、嘔吐まで様々です。飲水量の亢進もよく認められます。治療は、原因疾患の治療が中心で、輸液による対症療法なども行います。その他にも、骨の破骨細胞の活性を低下させ、骨からのCa導入を抑制するビスフォスフォネートによる治療も効果が期待出来ます。

こちらもご参照ください
No300 慢性腎不全のステージ分類
No202 リンパ腫
No80 副腎皮質機能低下症