No.484 インコの嘴形成不全

セキセイインコやコザクラインコ、オカメインコなどのインコ系の鳥は、嘴が食べる時に重要な役割を果たします。嘴は爪のようなもので日々伸び続けています。

通常は少しずつ削れていくので変わらないように見えます。嘴形成不全は、肝機能障害や高脂血症、アミノ酸欠乏、PBFD(サーコウイルスの感染症)、疥癬などが主な原因です。肥満鳥も要注意です。特発性(原因不明)の場合もあります。これらの様々な原因によって嘴の成長板細胞に異常が生じ、嘴のタンパクの合成異常が起こり、主に上嘴が過伸長し、場合によっては変色や出血班などがみられます。また、羽根の破損やストレスライン(羽根に白や黒の横線が入ったり一部が途切れたりしている状態)がみられることがあります。放置するといずれは上手く食事が出来なくなってしまいます。

治療法は、嘴のトリミングをして基礎疾患を治療していきます。切る過ぎると食事をしづらくなるので注意深くカットします。意外に伸びるのは早いです。一度歪んだ嘴はなかなか元に戻りませんので、基礎疾患が完治しないと定期的(3-5週間毎くらい)に嘴を削る事になります。

御家庭で爪切りなどを用いて切る方がいらっしゃるのですが、とても危険です。綺麗に削れると良いのですが、出血させると命にかかわる場合があります。縦割れしてしまうと対応が複雑になります。


セキセイインコの嘴の過長

こちらもご参照下さい
No.405 小鳥の出血
No.321 セキセイインコの肥満