No.251 セラミド

ヒトでも動物でも、健康な肌の角質の中では、何層もの細胞が重なっています。その角質の細胞と細胞の間のすき間を満たし、細胞どうしをつなぎとめているのがセラミドです。セラミドは水とも脂とも仲良くできます(ラメラ構造といいます)。セラミドは肌の奥から産生されます。肌は本来外部刺激から肌を守るバリア機能を持っています。セラミドは肌のバリア機能の主役です。十分な量のセラミドを持った皮膚は、バリア機能が高く、外部刺激によるダメージを受けにくくなっています。アトピー性皮膚炎ではスフィンゴミエリンデアシラーゼという酵素によってセラミドが減少しています。セラミドの保湿機能やスフィンゴミエリンデアシラーゼは宇都宮大学の芋川玄爾先生らによって発見されました。

アトピー性皮膚炎が見た目改善しても、その皮膚はセラミドが少なく乾燥していて、バリア機能が充分でなく健康ではありません。この状態をアトピックドライスキンといいます。皮膚の乾燥とバリア機能の低下、免疫機構の低下によって、アトピックドライスキンからまたアトピー性皮膚炎が発症します。アトピックドライスキンとアトピー性皮膚炎を繰り返す悪魔のサイクルになります。また、老化でもセラミドは減少します。

アトピー性皮膚炎が改善しても、きちんとしたスキンケアが必要です。スキンケアは
・皮膚に有害なものを除去する:適切なシャンプー・クレンジング
・皮膚に有益なものを添加する:保湿剤;化粧水、乳液、クリーム
です。適切なシャンプー剤は皮膚の状態によって異なります。また、動物へのセラミドの添加にはキュレルの入浴剤がオススメです。アトピー性皮膚炎のない動物でも保湿は有益です。動物の保湿にも便利なものが多く出ていますので、ご興味のある方はご相談下さい。

こちらもご参照下さい
No12 シャンプー
No23 アトピ-1
No24 アトピ-2
No25 アトピ-3
No43 犬のスキンケア1
No44犬のスキンケア2
No45犬のスキンケア3
No74 シャンプー後のトラブル
No195 シャンプーの方法