胆道の物理的な閉塞に伴って、抱合型(直接型)ビリルビン:Direct bilirubin(D-bil)を胆管や腸管に排出できずに黄疸が生じる場合で、腹部超音波にて肝内外胆管拡張や胆嚢粘液嚢腫を確認することが診断の糸口となり、肝内胆汁鬱滞型との鑑別点となります。胆道系の閉塞性黄疸の場合、右季肋部痛、発熱などの症状を伴う場合があります。
閉塞性黄疸は高度の黄疸を呈してから受診するケースが少なくありません。確定診断はCT、MRI、などに委ねられる場合があります。便は腸に入ったビリルビンが腸内細菌の働きでウロビリノーゲン、さらにステルコビリンとなるシステムが働かず、ステルコビリンが減るため灰白色(粘土色)となる場合があります。動物では以下の様な場合に閉塞性黄疸が起こります。
・胆管結石
・胆嚢粘液嚢腫
・胆管炎(好中球性、リンパ球性)
・膵炎
・悪性腫瘍:胆管癌、胆嚢癌、膵癌など
・敗血症
・血球貪食症候群
・移植後拒絶(Graft versus host disease )
胆嚢粘液嚢腫のエコー所見
こちらもご参照ください
No.434 肝内胆汁鬱滞性黄疸
No.433 肝細胞性黄疸
No.432 溶血性黄疸
No.431 黄疸 (Jaundice)
No.429 慢性肝炎
No.426 猫の肝リピドーシス