肝細胞障害のため、非抱合型(間接型)ビリルビン:Indirect bilirubin(I-bil)を抱合型(直接型)ビリルビン:Direct bilirubin(D-bil)に上手く変換できない状態です。通常、血清肝逸脱酵素(AST.ALT)が上昇します。ヒトでは痒みを伴う場合もあります。
肝細胞性黄疸を呈する疾患としては、肝炎や肝硬変が一般的です。ヒトだとウイルス性とアルコール性のものが多いですが、犬では肝炎→脂肪肝→肝硬変の変化が多く。肝臓の代謝のメカニズムが違う猫では(外来のグルクロン酸抱合が上手く出来ない)、肥満猫での肝リピドーシスがよくみられます。抱合化する機能は比較的維持されることが多いので、肝細胞性黄疸でI-bilの割合が大きい場合は肝機能障害が高度である場合が多いです。
動物での確定診断には肝FNAや場合によっては肝生検が必要な場合が多いです。近年サプリメントなどによる肝障害も報告されており注意が必要です。
・急性肝炎、慢性肝炎
・脂肪肝、肝リピドーシス(猫)
・肝硬変
・銅蓄積性肝炎
・薬剤性
・悪性腫瘍(原発・転移性)
・レプトスピラ
肝リピドーシスの猫の黄染した皮膚
こちらもご参照ください
No.432 溶血性黄疸
No.431 黄疸 (Jaundice)
No.429 慢性肝炎
No.426 猫の肝リピドーシス