No.509 リンパ液とリンパ管とリンパ節

リンパ液は、血管から出た組織液(体内の細胞に栄養や酸素を届けた後、血管に戻れなかった水分)の一部です。主成分は、血液の液体物質である血漿とリンパ球ですが、ほかにも傷ついた細胞や、細菌やウイルスなどの異物も一緒に含まれていることがあります。リンパ液は出口にある静脈に向かって一方向に流れています。

リンパ液が流れる管のことをリンパ管と呼び、リンパ液を元の血管に戻そうとする働きを持ちます。リンパ液をそのままにしておくと、量が増えすぎてしまい、浮腫みや腫れの原因となるため、リンパ管がリンパ液を血管に戻すことで、正常なバランスを保っています。また、血管が体内を円のように循環するのに対し、リンパ管は体の端の部分から中央辺りで途切れていて循環することはありません。リンパ管には、リンパ液が逆流しないように弁が付いており、リンパ液は単一方向にしか流れない点も特徴的です。リンパ液は筋肉のポンプ作用で流れています。

リンパ節はリンパ管の節目節目に存在する、豆のような見た目をした器官です。リンパ液の中のウイルスなどの異物をせき止めて、戦う役割があります。また、皮膚などから入ってきた細菌や、リンパ液内にある不要なものを濾過することで処理を行うという特徴があります。ちなみに、ヒトのリンパ節は400個以上と言われており、脇の下や膝裏、足の付け根など全身に存在しています。


リンパ液の流れが上手くいかないと浮腫みます

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No.500 免疫力
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