No.449 犬の前立腺肥大症

前立腺肥大症とは前立腺が大きくなり2次的に様々な障害を引き起こす病気です。去勢をしていない6歳以上の雄犬に多く(若い犬でも起こる場合もあります)、原因は精巣から分泌される男性ホルモンの乱れが原因だと言われています。

2次的な障害
1.排便障害
肥大した前立腺が直腸を圧迫することで起こります。便が細くなったり、しぶりが生じます。
2.排尿障害
肥大した前立腺が前立腺の中央を通る尿道を圧迫することで起こります。尿が出にくくなる為少量の尿を何度もする頻尿になります。ヒトではこのタイプが多いですが犬では比較的稀です。
3.後肢の跛行
肥大した前立腺が腹腔内で大きくなり、後肢の歩行に影響を与えます。
4.前立腺炎、前立腺膿瘍
肥大した前立腺は、炎症を起こす場合があります。血尿や、排尿時に痛みが現れます。とくに前立腺膿瘍になると治療が大変になります。
5.会陰ヘルニア・鼠径ヘルニア
肥大した前立腺が骨盤腔を占領する為、追い出されるように腸や膀胱等が筋肉を破って逸脱してしまいます。また。高齢になると男性ホルモンの乱れが筋萎縮を促進させ、ヘルニアを起こしやすくなります。

2次的な障害があると症状に出ますが、肥大するだけでは無症状のことが多く、健康診断や診察時(超音波検査、直腸検査、レントゲン検査など)に発見されることが多いです。

治療や予防は去勢手術です。薬もありますが、止めると再発しやすいです。

こちらもご参照下さい
No.322 去勢手術 (Castration)
No.177 犬の化膿性前立腺炎(前立腺膿瘍)
No.116 会陰ヘルニア(Perineoceie)


犬の前立腺肥大症のレントゲン写真