ハムスターには大きく広がる頬袋が左右一対あります。この中に食べ物や床材を入れて運ぶのですが、この頬袋が反転し口から飛び出したままになってしまうことがあり、これを頬袋脱といいます。ハムスター全般でみられますが、ジャンガリアン、キャンベルハムスターに多くみられます。
頬袋は予想以上に大きく、前足の辺りまで物を詰め込むことが可能です。頬袋脱の原因は、頬袋の損傷・感染、腫瘍などのほか、内側に張り付いた食事や床材を取ろうとして飛び出してしまう場合もあります。食事を詰め込み過ぎて中で詰まってしまい、腐敗してしまうこともあるので注意が必要です。炎症が少ない場合や単純な脱出のみであれば戻せる場合もありますが、戻せない、繰り返し起こる、時間が経過している、重度の炎症や腫瘍を伴う、組織が壊死してしまっている場合などは切除手術が必要となります。
切除手術は、脱出した頬袋の状態や原因にもよりますが、比較的大人しいハムスターの場合は局所麻酔でも可能です。当院ではサンダービートという外科用エネルギーデバイスを使用することにより、短時間での手術を行っております。頬袋脱の時は食事もできないので早目の対処が必要です。
ジャンガリアンハムスターの頬袋脱
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No275 外科用エネルギーデバイス