猫の特発性膀胱炎は間質性膀胱炎とも呼ばれ、きちんとした研究はありませんが、多くの猫が罹患すると考えられています。特発性とは原因不明という意味です。膀胱で無菌性の炎症が起こることにより出血する病気で、ヒトの女性の間質性膀胱炎に似ているといわれています。体質を持っている場合は繰り返し起こることが特徴です。一旦落ち着いたように見えてまたしばらくすると再発する事が多いです。ストレスが誘因になるともいわれています。
診断は、細菌性膀胱炎・膀胱内の結晶・結石、泌尿器系の腫瘍、腎臓や尿管、尿道からの出血などの他の疾患を除外することによって行います。具体的には、頻尿、血尿、排尿痛などの膀胱炎の症状、一般的な尿検査に加えて、尿の細菌培養、超音波検査、造影X線検査、場合によってCT検査などを行います。他の重大な疾患を見逃さないようにすることがとても重要です。
治療は炎症を和らげる薬の服用や副作用の少ない代替医療などを用いますが、頻尿や目に見えての血尿や排尿痛が無ければ、無治療で3-6ヶ月毎に検査をして様子をみることも多いです。その期間内でも目にみえての膀胱炎の症状がみられたら、その時点で治療が必要です。
体質が大きく関与していると考えられているので、長期間のお付き合いになることもあります。食事をウェットフードに変更したり、飲水量を増やすと少し楽になることがあります。また、トイレの見直し、ストレスの除去も重要です。今後の詳しい研究が待たれる疾患の1つです。
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