No.227 高齢犬に対するフィラリアやワクチンなどの予防

高齢の犬に対して、狂犬病や混合ワクチンといった予防注射や、フィラリアやノミ、ダニの予防を行うかどうかは飼主さんにとっても迷うことの一つでしょう。個々に考えてみましょう。

狂犬病の予防注射については、日本では生後91日以上の犬に対して接種が義務付けられています。狂犬病は日本での発生こそ50年以上ありませんが、インドや中国、その他いくつかの国々でも、いまだに毎年多くのヒトが亡くなっている怖ろしい病気です。法的にも、高齢だけを理由に狂犬病予防注射を接種しないということはできません。健康状態に問題がある場合には、動物病院で狂犬病予防注射猶予証明書を発行することができます。猶予証明書は毎年必要です。

混合ワクチンについては、健康状態、飼育されている環境によって判断します。健康状態に問題がある場合や、ワクチンの効果を消してしまうような薬を飲んでいる時は接種することはできません。また、伝染病の流行地域に住んでいる場合は、接種のメリットがデメリットを上回ると考えられます。混合ワクチンの接種を行わないと、ペットホテルやドッグラン、ドッグカフェなどの施設を利用することが出来なくなる場合があります。抗体価検査を行うという方法もあります。

フィラリアにおいては、蚊に刺される環境にないのであれば、予防薬の投与は必要ありませんが、少しでも感染の可能性があれば投与すべきでしょう。ノミやダニにおいても、お散歩に行けないくらいの高齢な場合は予防する必要はありません。

現在のワクチンや各種予防薬は、かなり安全性の高いものになっています。迷った場合は獣医師と相談して、一番良い選択をしてあげて下さい。

こちらもご参照ください
No7 狂犬病予防注射
No11 フィラリア予防
No47 狂犬病予防注射について
No136 抗体価検査