No.128 冬に気をつけたいこと

11月になり寒い日が多くなってきました。冬は寒さと乾燥に注意が必要です。ヒトよりも地面に近いところにいる場合が多い動物は寒さに敏感です。体が冷えると各臓器の力が弱まり、免疫力が下がったり血圧が上がったりして良い事はありません。また、乾燥は粘膜を乾かし細菌やウィルスへの抵抗力を低下させます。ヒトでも湿度50%以上の環境にいれば、インフルエンザウィルスの感染をかなり防げるといわれています。

犬、猫、フェレット、ウサギ、モルモットで実際に推奨される温度・湿度は、品種や年齢、健康状態にもよりますが、室温18~25℃前後、湿度は40~60%くらいです。とくに幼齢・高齢の場合は室温を20℃以上で24時間一定にしておくべきでしょう。ペットヒーターなど、狭い区域を温めるものを使用しても良いのですが、あくまでもエアコンの補助と考えてください(低温火傷にも注意してください)。また、乾燥を防ぐため、多くの場合は冬場は加湿器も必要です。

ハムスターの場合は、湿度は40~60%くらいでよいですが、前述の動物たちより寒さに弱いので室温は20~26℃にして下さい。とくに、室温が5℃以下になっていたり、昼間の温度と夜の温度差が5℃以上あったりすると、寒さに対抗するために消耗をできる限り少なくしようとした結果、疑似冬眠といって冬眠しているような状態になってしまうことがあります。もともとハムスターは冬眠をする動物ではありません。疑似冬眠は非常に危険な状態です。もし、なってしまったらすぐに病院で適切な処置を受けてください。とくに体力が落ちてくる1歳半以上のハムスターでは22℃以上の環境が良いでしょう。

小鳥も寒さや温度変化に弱い動物です。暖かめの環境、温度20~32℃、湿度50~60%が必要です。やはり、幼鳥・老鳥・病鳥などでは、少し温度を高め28~32℃くらいにしてあげてください(ヒトにとっては暑すぎますが)。とくに、小鳥が膨らんでいたり、羽を立たせていたりする場合は、すぐに温度を上げましょう。これは体温を失いたくないために、羽を膨らませて体温が逃げるのを防いでいる状態です。このような症状を見せ始めたら、相当悪くなっている場合があります。なるべく早く受診してください。

また、チンチラはもともと標高の高い高地の岩場の涼しい環境に住んでいたウサギの仲間です。暑いのは禁物。温度15~20℃、湿度40%ぐらいが快適です。

よくある事故は、エアコンを使用せず、ペットヒーターや毛布などのみで、寒さ対策をしている場合に起こります。必ずエアコンを使用しましょう。

動物種、その動物の状態によって快適な環境は違いますが、上記のことも参考にして寒い冬に対処してください。

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No42:冷えについて