全身が体毛に覆われている動物でも、人間と一緒に暮らしているうちに、寒さに対してかなり弱くなってしまったようです。『冷えは万病の元』という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
そもそも、体が冷えるということは血液の循環が悪くなっているということです。血液は摂取した栄養素を体中に運搬したり、生命活動によって作られた有害物質を排出させるのに大きな役割を果たしています。また、代謝を潤滑に行うための酵素も体温が下がると活性が下がります。自律神経の作用も冷えによって低下します。よく言われることですが、平均体温が1℃下がると免疫力は37%低下し、1℃上がると60%活性化するそうです(どうやって調べたのか、非常に興味がありますが)。
人では、なんとなく調子が悪い、よく眠れない、頭痛、食欲不振、下痢、便秘などの原因の大きなものの1つが、冷えだと言われています。
動物でも人と同じような症状を示します。とくに、基礎疾患のある動物や、幼齢、高齢の動物、小型の動物はより注意が必要です。寒い場所では、末梢血管が閉まり血圧が上がります。幼齢、高齢の動物は、自分で体温調整が上手く出来ません。ハムスターなどの小型の動物は1日の中で気温差が5℃以上あると、疑似冬眠をし、そのまま放置すると、心臓のCaチャンネルが障害を受け亡くなってしまいます。
まだまだ、寒い日が続くこの時期、寒さによって体調を崩している動物が多くみられます。健康な人間が半そでで快適に暮らせるくらいの温度が、犬猫も快適に暮らせる気温です。もちろん、節電の必要な日本です。過度に温める必要はありませんが、お部屋の温度に少し気をつけていただいて、可能なら加湿器を用い、適度な運動をさせて、きちんとした栄養をとらせてあげて下さい。