朝食前に黄色いものを吐く犬や猫は結構たくさんいます。吐いた後にケロッとしている場合が多いので見過ごされがちです。ネットを検索すると、朝吐く犬や猫はお腹が空きすぎて胃酸・胆汁などの消化液が多く分泌され、この消化液が胃を刺激することで胃液を吐いてしまうと説明されていて「逆流性胃炎」「胆汁嘔吐症候群」などという名称が付けられています。しかし、これは最近誤りだということが分かってきました。
たしかに空腹時間を減らすとこの症状が軽減する場合もありますが、そもそも健康な犬や猫は12~24時間ぐらいの絶食では嘔吐はしません(ヒトも同じです)。朝食前に黄色いものを吐く犬や猫を精査すると、十二指腸炎や膵臓のトラブル、肝臓・胆嚢の疾患などが多く認められます。また実際に治療を行うと症状が治まる場合が多いです。
きちんとしたを診断するには、血液検査、便検査、レントゲン検査、超音波検査、内視鏡検査などが必要です。詳しい検査をした方が良い目安は、
・月に3度以上黄色いものを嘔吐する
・整腸剤などの簡単な治療に反応しないか、反応しても投薬を止めると同じ症状が出る
・3ヶ月以上症状が続いている
・小腸性の下痢がある
などです。
朝食前に黄色いものを吐くという症状を軽く考えず、早目に対処をしましょう。
朝食前に黄色いものを吐く場合は要注意
こちらもご参照下さい
No280リンパ球形質細胞性腸炎と炎症性腸疾患
No189膵炎
No154超音波検査
No141消化管内視鏡
No123下痢
No70胆嚢疾患