No.246 ホルネル症候群 (Horner syndrome)

眼と眼瞼を支配している交感神経の麻痺によって起こる病態です。通常は片側だけに生じます。特徴的な症状は以下の4つです。

・瞬膜の突出
・縮瞳
・眼瞼下垂
・眼球の落ち込み

診断は上記の特徴的な臨床症状に加え、神経学的検査、フェニレフィリン点眼検査、血液検査やレントゲン検査、超音波検査、場合によっては、CTやMRIが必要な場合もあります。

原因は様々な原因により何処かしらの交感神経経路が遮断される事によって発生します。交感神経経路は大きく分けて以下の3つにわかれており、どの部位で遮断されるかで症状が異なります。検査を行っても原因が特定できない事もしばしばあります。頭部や頸部の外科手術の後に起こる場合もあります。
・脳から脊髄にかけて:
腫瘍や脳脊髄炎などに伴って発症することがあります。
ホルネル症候群以外の神経症状が出る事も多くあります。
・脊髄から頭頸部の神経節にかけて:
神経周辺の腫瘍や首に対する傷害(チョークチェーン、交通事故など)に伴って発症します。
・頭頸部の神経節から眼窩まで:
中耳炎やその他の原因で発症します。

治療は原疾患の治療です。特発性(原因不明)の場合は経過観察ですが、数週間~数ヶ月で自然治癒する場合もあります。


ホルネル症候群のゴールデンレトリーバー