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No.2 診断を付けるということ

診断を付けるということ

飼い主さんのお話、全身チェック、必要な各種検査、経過観察などを通じて診断を付け病気を快方に持って行くのは獣医師の仕事の1つです。

獣医学が進歩し、一昔前はわからなかった病気が診断できるようになり、そのうちの何割かは治癒することができるようになりました。前とは違う診断名が付けられた病気もあります。

しかし、様々な検査が可能になったことは喜ばしいことですが、技術習得が大変な検査、麻酔が必要な検査、費用が高額な検査などが多くなり、獣医師、動物、飼い主さんの負担は増加しております。

もちろん、病気が1つではない場合(とはいえ、リンクしている場合は多いですが)は検査の解釈も複雑になります。

経過観察を行ったり、薬を投与して反応を診て診断が付く場合もあります。開腹手術をしてやっと診断が付く場合もあります。

実際の診療の場面では、確定診断が付かないままという場合の方が多くあります。症状にあわせた対症療法で良くなり(薬はあくまでも手助けで、自己治癒能力によって良くなっているのですが)診断名は獣医師にもはっきりわからないことはたくさんあります。ちなみに、胃腸炎とか皮膚炎とか風邪などは本当の意味での診断名とは言えません。

診断名というのは人間が決めたものです。獣医科大学は人間が決めた病気の名前を付けられるようになるという勉強を6年間します。医学部でもそうだと思います。2011年現在、人類は生命や病気を何パーセントぐらい理解しているのでしょうか?

正しい診断を付ける。基本的なことですが難しいことです。


No1.ウェスト動物病院メールマガジンをご利用いただきありがとうございます。

ウェスト動物病院メールマガジンをご利用いただきありがとうございます。
第10回目の飼い主様向けセミナーへのご参加ありがとうございました。

亘先生の『高齢動物の病気』参考になりましたでしょうか?

私も小さい時から、甲斐犬10歳、柴犬18歳、日本猫19歳、シャム猫の雑種18歳の最後を看て来ました。私が生まれるより早くからうちにいた甲斐犬はフィラリア症で亡くなりました。まだ予防薬がない時代でした。小学校から病院を開院する前年まで生きていた柴犬の晩年は痴呆症でした。大学生の頃から一緒にいた猫は2頭とも慢性腎不全でした。

僧帽弁逸脱症、痴呆症、腫瘍、慢性腎不全、甲状腺機能亢進症、どれも、進行してしまうと対応が大変な病気です。ワクチンやフィラリアの予防薬、良質の食事、飼育環境の向上、ブリーディングの見直しなどにより、動物が長生き出来る時代だからこそ多くなってきた疾患です。何かいつもと違うな、という飼い主さんの感覚は疾患の早期発見に非常に有効です。高齢疾患に限らず予防と早期発見を。

当院には犬や猫の患者さんだけではなく、ウサギやフェレット、小鳥や亀、猿なども来院されるし、若い犬動物も高齢の動物もいらっしゃるし、もちろん病気も様々…
当然、興味があるところがみなさん違うんですよね。予防、行動、マッサージ、内科、外科、腫瘍、心臓、眼、皮膚、高齢疾患、毎年演題を決定するのに迷います。

演題が決まると、その道のスペシャリストの先生にお願いするのですが、皆、本当に快く引き受けて下さいます。ただ、この3~4年『ウェストの患者さんは勉強しているレベルが高い』という話がスペシャリストの先生方の中で囁かれ、亘先生も『獣医さんの前で話をするより緊張するよ』と言っておられました。

来年、第11回も開催出来ますように。
皆様、よろしくお願いします。

うちの高齢犬ルパン君(15歳)