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No.12 シャンプー

シャンプー剤の選択と頻度についてよくご質問を受けます。全てのワンちゃん猫ちゃんに適応できる答えは難しいですが、まずはシンプルに考えてみましょう。

シャンプー剤は非常に多くのものが出回っています。ペットショップやネットで手に入るものに病院で処方される薬用シャンプーなどを併せたら100種類を超えるでしょう。この中からそれぞれに適したものを探す時のポイントがいくつかあります。

まずは『リンスインシャンプーはなるべく使わないこと』です。リンスインシャンプーは時間や手間は省けますが刺激は3~5倍と言われています。人でも以前ほど使用されなくなってきたのではないでしょうか。

次に『ノミ取りシャンプーは使用しないこと』現在フロントライン始め、スポットタイプの駆虫薬の時代です。ノミ取りシャンプーの成分のアレスリンよりも安全性が高いものばかりです。ノミ取りシャンプーを使うメリットは全くありません。

皮膚にトラブルを抱えている場合は『皮膚がカサカサなのかベタベタなのか』を考えてみて下さい。乾燥肌と湿性肌は当然ながら使用するシャンプーは異なります。乾燥肌には保湿性の良いもの、湿性肌には脂を良く落とすものを使用します。薬用シャンプーといってもこれを間違えると逆効果になってしまいます。

頻度については、シャンプーを選べば毎日出来るのもありますが、目安として、暑い時期は週に1度、涼しい時期は2週に1度、皮膚炎の管理には週に2度がお勧めです。柴犬や猫ちゃんなど、シャンプーが大嫌いな場合はブラッシングを一生懸命にやっていただくことにより回数を減らせます。もちろん飼い主さんの事情も重要です。無理は必要ありません。

いずれにしても、迷われている場合は、使用されているシャンプー剤を持って病院にご相談下さい。これからの暑い時期シャンプーは大事です。


No.11 フィラリア予防

フィラリア予防

今年もそろそろフィラリア予防のシーズンです。今回はフィラリア(犬糸状虫、Heartworm)についてです。

まずは一番重要なこと

『フィラリア症は犬にとって死に至る疾患であるが、必ず予防出来る疾患である』

私が幼稚園児だったころでから今から約40年近く前ですが、かわいがっていた甲斐犬が腹水が溜まり亡くなったのを今でも鮮明に覚えています。

フィラリア症という病気は蚊を媒体として感染する寄生虫疾患で、成虫は主に肺動脈や右心室に寄生し、犬に右心不全徴候(腹水、肝障害など)肺高血圧などを生じさせ、治療が間に合わなければ死に至ります。また、急性のフィラリア症は後大静脈症候群(VCS)と呼ばれ緊急の手術が必要です。

成虫は♂が約15cm♀が約30cmあり乳白色で茹でた素麺のようです。虫が毒素を出したりするのではなく、物理的に血流を阻害することによって上記のような症状を起こします。成虫がL1(1期幼虫)を産み→蚊が吸血時にL1を吸い→蚊の体内でL1→L2(2期幼虫)→L3(3期幼虫)と発育し→また今度はL3が蚊の吸血時に吸血孔から犬の体内へ戻り→L4(4期幼虫)→L5(5期幼虫)→成虫という発育環を7~8ヶ月かけて繰り返します。

今のところ予防は、1ヶ月に1度の飲み薬、1シーズンまたは1年間効果のある注射などが一般的です(これからはスポットタイプも信頼性が上がれば使われるようになるかもしれません)。いずれの薬も予防薬というよりは駆虫薬です。犬の体に進入した幼虫を殺す薬です。飲ませた日から約1ヶ月前に侵入した幼虫をやっつけます。ですから予防薬は蚊の出始めた次の月(横浜では5~6月ぐらい)から蚊がいなくなった次の月(11月~12月)までが投与期間です(1年間効果のある注射はいつ射っても良いことになります)

どの予防法をチョイスされても良いのですが、シーズン最初の薬の投与前か注射の前には必ず血液検査を受けて下さい。もし、フィラリアがいることが疑われたなら対処は違ったものになります。もちろん100%の検査は存在しませんが、1年に1度の簡易的な健康診断の側面もあります。近年では、毎年きちんと予防しているワンちゃんたちには、健康診断としてのウェートの方が大きいですね。

しつこいですが、もう一度

『フィラリア症は犬にとって死に至る疾患であるが、必ず予防出来る疾患である』


No.10 犬、猫に与えてはいけない食品、薬  その2

よく質問されるものに牛乳があります。犬も猫も離乳時から乳糖分解酵素(ラクターゼ)がどんどん減ります。そのため、過剰な乳糖を摂取すると下痢を起こします。もちろん個体差があり、牛乳を飲んでも下痢をしないワンちゃん猫ちゃんもたくさんいます。発酵によって乳糖が分解されているヨーグルトやチーズは少量なら大丈夫です。

生肉については賛否両論あります。野生の狼や虎は生肉を食べてるじゃないか、など…しかし、生肉を食べなれていない場合は消化不良の原因になりますし、新鮮さの問題もあります。お肉の専門家の方ならともかく、加熱調理をしていただいた方が無難です。まあ、お刺身なんかを少量ならば、全く問題ないと思いますが。

子供を育てたことがある方はよくご存知だと思いますが、ハチミツも注意が必要です。まれですが、ボツリヌス菌が入り込むことがあります。筋肉の麻痺が起こり、呼吸ができなくなり死亡する場合があります。とくに消化管の粘膜や免疫機構が出来上がっていない子犬、子猫には与えないで下さい。

ご存知ない方が多いのがブドウです。原因ははっきりとわかってないのですが、腎不全を起こした犬の例が報告されています。

最近はいらっしゃらないと思いますが、猫を長期間に渡りドッグフードで飼育すると、タンパク質をはじめ猫に必要な栄養素が不足します。

また、塩分の多いもの、香辛料が多く刺激の強いものなども与えないほうが良いのは言うまでもありません。

我々が診療に用いている約8割が人体用のお薬です。しかし、動物に与える量は単純に体重比ではありません。また、少量でも犬猫には重大な副作用が生じる薬もあります。とくに、抗癌剤、抗精神薬は重篤な症状が出やすいです。誤って飲んでしまった場合は、すぐにご連絡下さい。かぜ薬、正露丸なども危険な場合があります。漢方薬、サプリメントも、人には良いけれど動物には有害というものがありますし、他の薬との飲み合わせの問題が出ることがあります。使用したい場合はご相談下さい。


No.9 犬、猫に与えてはいけない食品、薬

犬、猫に与えてはいけない食品、薬

人間には無害だったり有益でも、動物には与えてはいけないという食品や薬のことをお話させていただきます。いずれの場合も、感受性による個体差、摂取量、体調などにも依存しますが、以下のものは危険です。2回に分けて解説させていただきます。

まずは、ユリ科の植物。ネギ類は有名ですね(ネギってユリの仲間なんですね)タマネギはもちろん長ネギもだめです。アリルプロピルジスルフィドという成分によって、犬猫の赤血球が壊され貧血(溶血)を起こします。また、溶血が進むと赤いオシッコ(血色素尿)をすることがあります。感受性の高い場合は短時間で死亡することもあります。他のユリ科の植物には、ニンニク、アロエなどもあります。本によってはニンニクを食べさせると虫が付かないなどと書いてあるものもありますが、絶対に止めましょう。また、現在では、ネギ中毒を起こしやすいかどうかを調べることも可能ですが、与えないに越したことはありません。チューリップやスズラン、スイセン、ヒガンバナもユリ科です。これらも、誤ってワンちゃん、猫ちゃんが食べないように注意してあげて下さい。

次はチョコレートです。チョコレートに含まれるカカオには、テオブロミンが含まれていて、犬の心臓など循環器系や中枢神経に作用し、嘔吐、下痢、不整脈、痙攣が起こることがあります。肝臓や腎臓を悪くした犬も診たことがあります。ひどい場合は突然死も起こると言われています。コーヒーに含まれるカフェインにも同じような作用があります。

歯に良いと言われるキシリトールも、犬で低血糖が報告されています。最近では減りましたが、歯磨きガムにキシリトールが添加されているものがありました。注意して下さい。

貝類、甲殻類、イカ、タコなどの頭足類には、ビタミンB1を破壊するチアミナーゼが含まれており犬猫にビタミンB1の欠乏を起こします。猫の方が犬の5倍のビタミンB1を必要とするため症状を出しやすいです。神経症状や眼のトラブル、成長障害などが主な症状です。猫がイカを食べたら腰を抜かす。と言うことを聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、このチアミナーゼが原因です。ただし、チアミナーゼは熱に弱いので火を通したものは大丈夫です。

卵白にはアビシンが含まれていて、ビオチンと呼ばれるビタミンHと特異的に結合し、犬猫にビオチンの不足を起こします。ビオチンの不足は皮膚のトラブルを起こします。アビシンも加熱処理すれば失活します。また、卵黄にはビオチンが多く含まれるため、全卵で与えるのも良いでしょう。

有名なものもありますが、意外なものもありますね。残りは来週に。


No.8 ペットフードと手作りフード

ペットフードと手作りフード

『ペットフードと手作りフードは、どっちが良いですか?』よく聞かれる質問です。昨今は動物の栄養学も進歩し、ペットフードも良質になり多くの種類がペットショップや量販店に並んでいます。年齢や品種のみならず、病気の予防を謳ったもの、嗜好性を追及したもの、高級感を売りにしているものなど様々です。以前にペットフードのメーカーの方に聞いた話ですが、日本の猫ちゃんたちが食べているタイで作られているフードの材料のお魚は、現地の人たちが普段食べている魚より高級なんだそうです…

一昔前までは「同じペットフ-ドをずっと与えていれば良いんだよ。」と、おっしゃる獣医さんが多かったと思います(今でもそういう考えの獣医さんもいます)。また「手作りフードの方が優れているに決まっているじゃないか」という考えの先生もいます。書籍やインターネットでも両方の意見がありますね。また、ペットフードを推奨していても「いろんな種類の製品を使うべきだ」という意見もあります。

個人的には『それぞれのメリット・デメリットを理解して、飼い主さんと動物が楽しくて負担の少ない(食事は毎日のことですからね)方を臨機応変に使えばよい』と思っています。もちろん、年齢や栄養状態や病気については考慮する必要があるでしょう。

以下は、ペットフードと手作りフードを比べた場合の利点と欠点です。

1 ペットフードは用意が簡単ですが、手作りフードは時間と手間がかかります。

2 ペットフードの方が一般的には安価です。

3 ペットフードの方が防腐剤、添加剤が多くなります。

4 手作りフードに各栄養素をバランスよく入れるのはなかなか大変です。

5 手作りフードは原材料がよくわかります。

6 手作りフードは水分が多くなるため量が増えます(満腹になるという利点はありますが、とくに大型犬や一気食べのワンちゃんには、胃拡張や胃捻転のリスクがあります)。

7 血液の中の蛋白質(とくにアルブミン)が低下しやすく、尿素窒素(BUN)が上昇しやすくなります。

8 手作りフードの方が美味しく作れます。

以上のことを考慮して、みなさんの負担のないよう楽しく毎回のお食事を考えてあげて下さい。4や7のようなことを考えると、本格的に手作りフードだけでやっていくには、定期的な血液検査や尿検査、検便が必要だと思います。また、個人的に8は重要だと思います。


No.7 狂犬病予防注射

東日本全体がこんな状況の中ですが、今年も狂犬病予防注射のシーズンが始まりました。

狂犬病。犬を飼っている方ならば誰でも一度は聞いたことがある病名だと思います。しかし、実際に狂犬病に罹患した犬や人を見たことがある方はいらっしゃらないでしょう。それもそのはず、日本では過去50年以上、国内での感染例はありません(外国で犬に噛まれて帰国後に発症して亡くなった方はいらっしゃいます)。私も学生時代に授業中にビデオで見ただけです。

では、なぜ、忙しい区役所の方々まで動員して、税金を使ってまで大掛かりに予防注射を行うのでしょうか?大きな理由が2つあります。

1つは、狂犬病は発症すると治療法がなく致死率がほぼ100%なためです。人も例外ではありません。狂犬病と呼ばれていますが、げっ歯類以外のほとんどすべての定温動物に感受性があります(海外ではコウモリがよく問題になります)。原因は狂犬病ウィルスで、感染した動物の唾液中にウィルスがいるため噛まれることによって感染します。発症すると、風邪の様な症状と神経症状が出て音や光に敏感になる知覚過敏と神経麻痺や強い痛みが出ます(水を飲むことさえ困難になり恐水病とも呼ばれます)。最終的には全身が麻痺し昏睡状態になり死亡します。

2つ目は、日本では前述のように50年以上発生がありませんが、海外で危険性がないと考えられているのはニュージーランドのみであり、これだけ地球が狭くなった現在、コウモリなども感染することを考えると、船や飛行機から、いつでも日本に入って来るリスクがあるということです。インド、パキスタン、中国では、現在でも毎年数千人の死亡者が出ています。

統計学上、ウィルスが国内に侵入した場合でも、70%以上の犬が抗体を持っていると大流行にはならないそうです。健康状態に問題のないワンちゃんは狂犬病ワクチン接種をお願いします。

現在、日本で使用されているワクチンは、かなり安全なものですが、以下にあたるワンちゃんは接種時に特に注意が必要です。

・発熱、下痢、咳、重度の皮膚炎がある場合

・妊娠している可能性がある場合

・高齢犬

・病気の治療中の場合

・発作を起こしたことがある場合

・以前、ワクチン(狂犬病予防注射以外のものも含む)で副反応を呈したことがある

横浜市では4月中、集合注射を各会場で行っております。私も西区の会場には全て出場しますが、青空の下では万が一副反応が起こったときに十分な対応が取れない可能性があります。なるべく病院で接種することをお勧めいたします。


No.6 募金のお願いと被災地の状況

募金のお願いと被災地の状況

『動物のために使ってもらえる募金はないですか?』というご質問を、10人以上の方からいただきました。病院からも日本赤十字への募金をしましたが(仕方のないことですが)動物たちの元まではなかなか届かないそうです。そこで、横浜市獣医師会が窓口になって、なるべく、被災地の動物たちのために使っていただく募金をはじめます。人間が大変なのに動物にお金を使うなんて等。いろいろなご意見があると思いますが、とりあえず5月25日まで病院の受付に募金箱を設置します。よろしくお願いします。

ニューヨークタイムズ紙の論評で、日本は、地震、津波、放射線漏れ、の3重苦だとありました。実際は、その3つに加えて、火事、寒さ、飢餓、風評被害、なども加えなければならないでしょう。

宮城県遠田郡(仙台のそばです)で開業していて、しばらく連絡の取れなかった同級生からの昨日のメールの一部を下に転載します。本当に現地は大変ですね。

ライフラインも復帰し、ガソリンも満タンに入れたので、ほぼ、元の生活に戻りつつあります。

食料は相変わらず制限されていますが、患者さんから米、野菜、みそなどたくさんいただいたので、私の所は大丈夫です。

近隣の市町村はまだまだで、本当に悲惨な生活を強いられています。

石巻に住む叔母、叔父が家ごと流され、未だ行方不明です。

間違いなく死んでいると思います。

私の所は津波は受けませんでしたが、やはり地震の規模が大きかったため、町内でも古い家はだいぶ壊れています。

当初は首都近辺の知人から電話をいただき、私の所はたいした事ないなんて言ってましたが、復旧に従って色々とはっきりしてくるもので、祖母の家と、実家が半壊状態で、ともに道路に面しているため、早々に取り壊さなければならない状態です。

地震保険はある程度でますが、残りの分は私がまかなう事になるので、そう言った意味ではダメージが大きいです。

隣町の石巻市では動物病院の3分の2は被害を受けましたので、その分の患者がこちらまで来て、なかなか大変です。津波で全てなくしたという人たちも何人も来ますが、自分自身も生活していかなければなりませんから、通常の診療体系でやらなければならない部分は心が痛みます。

被害のひどかった、南三陸、女川、石巻、東松島、この辺りからもそれなりに患者が来ていたので、皆無事でいる事を祈っています。

被災地では非難の際に生き残った飼い犬、猫たちがうろうろしているらしく、そう言った動物を病院単位で保護することは可能かと保健所から連絡が来ましたが、自分の所を復旧させるのに手一杯なため、申し訳ないけど断っているのが現状です。

食べ物を持って、被災地を回ってみたい気持ちもありますが、動物よりも人という状態なため、地域によってはかなり殺気立っていて、ある意味危険な状態だと言います。

石巻市は治安も悪く、犬猫だけでなく、人もさまよっています。

ガソリンは抜かれ、死体のポケットから財布を抜き取るようなこともかなりあるようです。

世紀末と言うような感じですね。


No.5 放射線量

mSv(ミリシーベルト)、μSv(マイクロシーベルト),nGy(ナノグレイ)等の単位、原発事故のせいで最近よく耳にします。各専門機関のホームページなどに詳細が書かれていますが、なるべく簡単にご説明してみたいと思います。

まずは、Sv(シーベルト)という単位は、放射線によって人体に与えられたエネルギー量です。つまり『Svは人への影響の大きさを表す単位』です。

1Sv=1000mSv 1mSv=1000μSv です。

続いて、Gy(グレイ)です。放射線を浴びた空気が受け取ったエネルギー量です。

1Gy=1000mGy 1mGy=1000μGy 1μGy=1000nGy です。

それぞれ、/hが付くと、1時間あたりでという意味です。

原子力特別災害措置法では1Gy=1Svで計算しているようですね。

通常の生活でも、年間2400μSvぐらいの放射線は、自然界から浴びていると言われております。人の胸部レントゲン検査で60μSv、犬猫で40μSv、CT撮影は8mSv(8000μSv),飛行機で成田からニューヨーク間を飛ぶと100μSvぐらいだそうです。

一般的には、1回の被曝が100mSv(100000μSv)以下なら人体への影響はないと考えられています。

以上は1回の被曝に対しての話でした。しかし、気になるのは、事故を起こした原発の処理が長引いて放射線を連続して浴びた場合ですよね。

国際放射線防護委員会が勧告している被曝の上限値を線量限度といい、一般人に対しては1年間に1000μSv、職業人は5年間の平均が20000μSv/年を超えないこととされています。

では、自治体の計測している放射線量から単純に計算してみるとどうなるでしょうか?
神奈川県安全防災局の出している数字は(去年の同時期の倍ぐらいの値です…)3月18日の値で50~70nGy/h(0.05~0.07μSv/h)です。多目に見積もり0.1μSv/hとして、365日24時間、ずっと屋外にいて、放射線を浴び続けたとして計算してみます(ありえない状況ですが)

0.1μSv×365×24=876μSv

となり、1000μSv以下です。線量限度を超えません。

つまり、学説が正しく、各測定値が正しく、これ以上被害が大きくならなければ、神奈川県ではとりあえず安心だと言えます。

横浜市民の方ならば慌てて遠方へ避難する状況ではないと思います。被災地の方々に物資が届くように、不必要な分までの食料やガソリンの購入は止めましょう。

参考にして下さい

原子力・エネルギー教育支援情報提供サイト『あとみん』から引用

注:一部の携帯電話では画像を見ることが出来なかったり、文字が小さくて読めない場合がございます。詳しい図表をご覧になる場合には、パソコンから「あとみん」(http://www.atomin.go.jp/)の図表→日常生活と放射線をご覧ください。


No.4 大地震

大地震

 このたびの東北地方太平洋沖地震に被災された方々と動物たちのご無事と、被災地の一刻も早い復興をお祈りします。

まだまだ、災害の全体像が見えない状況です。想像をはるかに超える被害であります。発表される各数字が大きすぎて現実感がありません。本当に大変なことになりました。便利な生活はリスクの上になりたっていたと痛感させられます。

余震もまだ感じられますし、原発の損傷による被爆に関しては、被害が広範囲に及ぶ可能性があります。しかし、まずは、被災地の人々と動物たちが、1人でも1匹でも多く救助されることを祈っております。私の友人にも、いまだに連絡の取れないものがおります。無事を祈っております。

大地震から5日経った3月16日現在、横浜市はライフラインの破綻もなく西区においては今のところ計画停電のグループにも入っていません。とてもありがたいことですが少し複雑な気持ちです。節電しながら診療を行っております。薬品や処方食に若干の欠品がありますが贅沢は言っていられません。

市内でも、コンビニやスーパーでの食料の欠品やガソリンスタンドでの行列が見られました。余震や被爆の問題を含め横浜でも緊張した状況は続くと思われますが、物流が破綻しているわけではないので、落ち着いて本当に必要な分だけを購入することも節電と同じくらい大事なことだと思います。不安な気持ちはみんな一緒です。私も本当に不安です。

今のところ、募金や節電をして心配するぐらいしか出来ないのがもどかしいところですが、被災地の方々や動物たちに心で熱く思いを寄せ、これからの状況に対して、頭で冷静に判断し理性的な行動をとることが必要だと考えます。


No.3 飲水量とPUPD

1日あたりの正常な飲水量は体重1kgあたり,犬や猫で40cc~60cc、ウサギ50cc~150cc,フェレット70cc~100ccといわれております。

一般的に飲水量が増えて尿が多くなる状態を、多飲多尿:PUPD(Polyuria Polydipsia 英語だと多尿多飲ですが)と呼びます。

犬や猫の場合、100ccを超えたあたりでPUPDと判断します(60~100ccはグレーゾーンです)。PUPDの主な原因としては、腎障害、肝障害、糖尿病、子宮蓄膿症、甲状腺疾患、副腎疾患、薬剤(ステロイド等)などが挙げられます。

ウサギは、口腔内やお腹の痛みがあると飲水量が増えるようです。

フェレットは、喉が渇くと食欲が落ちる傾向があります。

いずれにしても、大きな病気のサインであることがよくあるので、日頃のチェックは大切です。飲水量や尿量が増えたなと感じたら、早めに病院へご相談下さい。

また、よく『ミネラルウォーターを飲ませてはいけないんですか?』という質問を受けます。たしかに、ミネラルウォーターは結石を作るので与えないこと。と書いてある本がたくさんあります。個人的な意見ですが、硬度の低い軟水や中軟水なら構わないと思います。どうしても心配な方は湯冷ましをあげるとかも良いと思います。ちなみに一般的に売られている、六甲のおいしい水、南アルプスの天然水、ボルビック、クリスタルカイザーは軟水、エビアンは中硬水、コントレックスは硬水です。当院の入口においてあるアクアクララも軟水です。安心してワンちゃん、ねこちゃんに飲ませてあげて下さい。