おやつを与えたときの犬の喜び様はヒトをとても幸せな気分にします。おやつを与える目的には、その他にも、しつけをやりやすくする。問題行動のトレーニングを助けるなどがあります。
現在では昔ながらのジャーキーから手作りケーキまで多くの種類のおやつがあり、ペット専用のパティストリーなんかもあります。値段もピンからキリで、数円の安いものから無添加・手作りをうたった誕生日ケーキのように何千円するようなものまで売っています。
このように魅力的なおやつですが、当然ながら食べ過ぎると肥満の原因となったり持病のある動物ではその病気を進行させたりする場合があります。では、理想的なおやつとはいったいどんなものなのでしょうか?
犬の年齢や持病や食物にアレルギーがあるかないか、嗜好、経済性、手作りをする時間をかけられるかどうか、おやつを与える目的などによっても理想のおやつは違いますが、市販のジャーキーなどよりは、脂のすくないお肉を湯がいて味をつけずに与えるのがお勧めです。カッテージチーズやお豆腐、おからなども良いおやつだと思います。これらも、素材の味だけで犬は大喜びします。
また、私が印象に残っているおやつがアメリカで見たピーナツバターです。もう10年以上も前の話になりますので今は事情が違っているかもしれませんが、ピーナツバターはアメリカの犬たちの人気No1のおやつでした。アメリカの子供たちもピーナツバターは大好きでパンに塗って食べるため、どの家庭の冷蔵庫にも必ずありました。大きな容器に入っていて値段も安く、多くの動物病院にもおいてありました(与えすぎると膵炎や肥満の問題がありますので量についての指導はきちんとされていました)。犬たちは大喜びでたいていの犬はピーナツバターの虜でした。他にはホットドッグに入れるソーセージ、チーズなども人気でした。
ピーナツバターのようなジャンクなおやつは日本の飼主さんにはびっくりだと思いますが(私もびっくりしました)、ポイントは量です。大型犬でも1回のご褒美は小指の爪の半分ほどの量でした。しかも、ここぞというときにしか与えないので健康を害する心配はありません。日本ではおやつの量も回数も多すぎる印象です。また、お散歩中の他の犬に与えるのも止めた方が良い習慣だと思います(断り辛いですが)。おやつはたくさんもらっても少しでも犬の嬉しさは変わりません。どうか、うまくおやつを使って犬とのコミュニケーションをとってください。