No.6 募金のお願いと被災地の状況

募金のお願いと被災地の状況

『動物のために使ってもらえる募金はないですか?』というご質問を、10人以上の方からいただきました。病院からも日本赤十字への募金をしましたが(仕方のないことですが)動物たちの元まではなかなか届かないそうです。そこで、横浜市獣医師会が窓口になって、なるべく、被災地の動物たちのために使っていただく募金をはじめます。人間が大変なのに動物にお金を使うなんて等。いろいろなご意見があると思いますが、とりあえず5月25日まで病院の受付に募金箱を設置します。よろしくお願いします。

ニューヨークタイムズ紙の論評で、日本は、地震、津波、放射線漏れ、の3重苦だとありました。実際は、その3つに加えて、火事、寒さ、飢餓、風評被害、なども加えなければならないでしょう。

宮城県遠田郡(仙台のそばです)で開業していて、しばらく連絡の取れなかった同級生からの昨日のメールの一部を下に転載します。本当に現地は大変ですね。

ライフラインも復帰し、ガソリンも満タンに入れたので、ほぼ、元の生活に戻りつつあります。

食料は相変わらず制限されていますが、患者さんから米、野菜、みそなどたくさんいただいたので、私の所は大丈夫です。

近隣の市町村はまだまだで、本当に悲惨な生活を強いられています。

石巻に住む叔母、叔父が家ごと流され、未だ行方不明です。

間違いなく死んでいると思います。

私の所は津波は受けませんでしたが、やはり地震の規模が大きかったため、町内でも古い家はだいぶ壊れています。

当初は首都近辺の知人から電話をいただき、私の所はたいした事ないなんて言ってましたが、復旧に従って色々とはっきりしてくるもので、祖母の家と、実家が半壊状態で、ともに道路に面しているため、早々に取り壊さなければならない状態です。

地震保険はある程度でますが、残りの分は私がまかなう事になるので、そう言った意味ではダメージが大きいです。

隣町の石巻市では動物病院の3分の2は被害を受けましたので、その分の患者がこちらまで来て、なかなか大変です。津波で全てなくしたという人たちも何人も来ますが、自分自身も生活していかなければなりませんから、通常の診療体系でやらなければならない部分は心が痛みます。

被害のひどかった、南三陸、女川、石巻、東松島、この辺りからもそれなりに患者が来ていたので、皆無事でいる事を祈っています。

被災地では非難の際に生き残った飼い犬、猫たちがうろうろしているらしく、そう言った動物を病院単位で保護することは可能かと保健所から連絡が来ましたが、自分の所を復旧させるのに手一杯なため、申し訳ないけど断っているのが現状です。

食べ物を持って、被災地を回ってみたい気持ちもありますが、動物よりも人という状態なため、地域によってはかなり殺気立っていて、ある意味危険な状態だと言います。

石巻市は治安も悪く、犬猫だけでなく、人もさまよっています。

ガソリンは抜かれ、死体のポケットから財布を抜き取るようなこともかなりあるようです。

世紀末と言うような感じですね。