No.530 尿毒症(Uremia)

尿毒症とは、腎臓の働きが高度に低下し、本来尿として排泄されるはずの老廃物(尿毒素)が血液中に蓄積して、全身にさまざまな障害を起こしている状態を指します。腎臓が限界を超えて働けなくなり、毒素が体中に回ってしまった状態です。

腎臓の主な役割は
・老廃物(尿素・クレアチニンなど)の排泄
・水分・電解質・酸塩基バランスの調整
・ホルモン産生
ですが、これが破綻すると、血中に尿毒素が蓄積し、身臓器が障害されます。その症候群全体を 尿毒症 と呼びます

主な原因は、 慢性腎臓病(CKD)末期、急性腎障害(AKI)、尿路閉塞(尿管閉塞、尿道閉塞)、 重度脱水、ショック、 中毒(エチレングリコールなど)などです。

尿毒症の主な症状は
神経:意識障害、傾眠、痙攣、尿毒症性脳症
消化器:食欲不振、悪心、嘔吐、尿毒症性胃炎・腸炎、口内炎、アンモニア臭(尿毒症性口臭)
循環器:高血圧、尿毒症性心膜炎
血液:正球性正色素性貧血(腎性貧血)、出血傾向(血小板機能異常、DIC)
代謝:高K血症、代謝性アシドーシス、低Ca・高P血症

診断のポイントは、血液検査で、高BUN・高Cre、高SDMA、電解質異常(特にK)、アシドーシスなどですが、 臨床症状が重要です。

治療の基本は以下のものを組み合わせて行います。
・輸液(脱水補正)
・電解質・酸塩基補正
・制吐・胃粘膜保護
・食事療法(低タンパク・低リン)
根本的治療は原因の除去ですが、困難な場合が多いです。尿毒症になる前の対処が重要なので、定期的な健康診断が重要です。