ウサギの子宮疾患は、子宮内膜炎、子宮水腫、子宮蓄膿症、子宮腺癌、子宮平滑筋肉腫、腺扁平上皮癌などがあります。不妊手術をしていない4~5歳以上で多く発症が見られます。ある程度進行しないと症状を見せないため、なかなか気が付きにくい疾患の一つです。
一番多い症状は血尿です。血尿は尿全体が赤くなったり、尿の中に血の塊がみられたり、鮮血が陰部から出てきたりと程度や状態は様々です。持続的に血尿がみられることは稀で、時々血尿になったり普通の尿になったりを繰り返すことが一般的です。また、初期には一過性のことも多く様子を見てしまいがちです。乳腺の腫れや腹部膨満などの症状が見られることもあります。重症になると元気や食欲がなくなってきます。
診断は超音波検査で行います。あまり大きくなってない子宮の場合は判断が難しい事もあります。また、レントゲン検査や血液検査も行い、他の病気との区別や重症度の判定を行います。
治療は、抗生剤や止血剤などで症状の改善がみられることもありますが、内科療法で完治させることは困難です。放置すると腹腔内出血や腹水貯留、播種性血管内凝固症候群(DIC)などを起こし、手遅れになってしまうこともありますので、なるべく早期に卵巣子宮摘出手術を行います。病気が進行し貧血や多臓器に癒着を起こしてしまうと手術のリスクが高くなります。確定診断には摘出した卵巣・子宮の病理診断が必要です。
予後は原因よって異なりますが、早期発見して手術・治療をして、悪性のものではなかった場合はほとんどの予後は良好です。また、若いうちに不妊手術しておくことで病気の予防に繋がります。肥満している場合には麻酔や手術のリスクが高くなるので、年齢とともに子宮の周囲にたくさんの脂肪を蓄える傾向があることや、年齢とともに他の病気にかかる確率も高くなることを考えると、不妊手術は、性成熟後の6ヵ月~1歳齢くらいがオススメです。
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ウサギの子宮の腫瘍
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