カメは尿路結石を形成することがしばしばあります。特にリクガメは結石を生じやすく注意が必要です。
結石が生じる要因は大きく3つあります。
1.脱水:慢性的な環境中の水分不足や下痢、腎臓病などから
2.高タンパク食:バランスの崩れた食事、マメ科の野菜や野草、ヒトの食物などの多給
3.尿路感染:膀胱の細菌感染から
最も多い原因が水分の不足です。リクガメは湿度がそれほど必要ないと勘違いされて水入れを常備していないなどの飼育環境の不備が多いです。また、リクガメの種類によっては湿度が低くなると鼻水が慢性的に流れだし、結果として脱水がさらに進むことがあります。食欲不振から水分摂取量が減少し、体内で結石が形成される場合もあります。
カメの尿路結石の症状としては、いきみや総排泄腔周辺が常に尿で濡れている、食欲の低下などです。確定診断にはレントゲン検査が必要です。
治療は内科治療と外科治療があり、内科治療は、点滴などで脱水の改善を行い、食事中の水分を増やしたり、温浴によって排尿を促し結石の自然排出を助けます。外科治療は、総排泄腔から結石を粉砕する(全身麻酔が必要な場合もあります)、それでもダメな場合や結石が大きければ、全身麻酔下で腹側の甲羅を切開(開甲手術)、もしくは後肢の付け根から切開を行い結石を摘出します。外科治療はリスクが高いので早期発見が大事です。
ギリシャリクガメの尿路結石