No.447 セキセイインコののメガバクテリア症 (マクロラブダス症、AGY)

メガバクテリアは、現在ではマクロラブダス症、AGY(Avian Gastric Yeast)と呼ばれていて真菌の一種です。1982年にアメリカで発見されすでに世界中に蔓延していています。日本でもAGYに感染した鳥のいないブリーダーを探すのは困難です。 多くの鳥種で感染が確認されていますが、最も問題となるのはセキセイインコで急性に死亡する例も少なくありません。

原因は、ヒナの時期に親鳥から感染を受けたものがほとんどと考えられています。 健康な個体は自分の免疫力でAGYの増殖を抑えているため、感染していても無症状で経過することがほとんどですが、ストレスで免疫力が落ちて発病したり、また他の病気の経過中に合併症として発病することがあります。 ペットショップで購入した後に、環境の変化によるストレスで発症するケースもよくあります。

症状は急性型と慢性型があります。
急性型:元気な鳥が突然嘔吐や吐血を示し、体を膨らませて数日以内に死亡します。救命が困難です。
慢性型:嘔吐や未消化便・下痢便などの消化器症状を表しながら徐々に痩せていきます。体重が25g以下に痩せてしまうと危険な状態になることが多いです。

診断は糞便を顕微鏡で観察してAGYを見つけます。1-2回の検査で見つからない事もあります。最初の治療は14日間抗真菌薬を与えます。しつこい場合も多いです。治療が遅れ胃の障害が大きいと メガバクテリアが糞便中から消失しても症状が治りません。メガバクテリアは胃の粘膜に侵入するため、排泄量が少なくても必ず処置をしたほうがよいでしょう。メガバクテリアも早期発見・早期治療が重要です。


糞便中のAGY