No.363 フクロモモンガの飼育

フクロモモンガは野性では群れで生活しているため、社交性を考えた飼育環境が必要です。複数で飼うことが理想ですが、単独飼育の場合は飼主さんとの良い関係性が大事です。

活発な動物なので、活動する空間として大きくて高さのあるケージが理想です。夜行性なので主に夜に活動します。昼間は部屋を暗くしたりケージにカバーをかけます。ケージの中には飛び回れるように枝や蔦を入れて、高い位置に休息スペースとしての棚を設置して下さい。また、枝や棚(踊り場)の他に、エサ容器や給水器などをレイアウトします。休む場所である小屋あるいは寝袋なども必要です。また、ケージの外に放すことで運動量を増やして下さい。部屋に放す場合は、事故や誤食に注意して下さい。ケージを広くする以外に、飛翔させることと、匂いで人に馴らすことがポイントになります。

糞や尿を決まった所にする習性がないためトイレを覚えにくいので、こまめなケージの掃除をしなければなりません。気温が21℃以下になると動きが鈍くなり休眠します。休眠中は体温を約15℃くらいに下げて活動も食事の量も減ります。また、夏場はケージを直射日光が当たる所や締め切った部屋に置くと熱中症になる可能性があります。部屋の温度を管理し涼しい場所に置いてあげて下さい。冬の寒い時期は保温器具で寒さを防ぐ工夫をして下さい。24℃~27℃が理想です。自ら積極的に毛づくろいをするため入浴やシャンプーなどの必要はありません。

フクロモモンガは雑食性で、野性では、樹液、果汁、花粉や花蜜、昆虫などを食べています。昔は果物や昆虫を主食として飼われていましたが、代謝性骨疾患が多発し、短命に終わっていました。そこで食事の果物や昆虫に、カルシウムやビタミン剤を添加する方法がとられたきましたが、現在ではペレットを主食にすることがオススメです。基本的にフクロモモンガ用ペレットを中心に、果物や野菜、動物性蛋白質(昆虫、ミルワーム、低塩煮干しやチーズ、ゼリーなど)を与えて下さい。活動し始める夜の早いうちに給餌します。選り好みも強く偏食する傾向がありますが、嗜好性の高い甘い果物を主食にはしないように注意して下さい。肥満と歯のトラブルの原因となります。


甘いものの食べ過ぎには注意

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No323代謝性骨疾患