寒くなると、人と同じように動物でも膀胱炎になりやすくなります。おしっこを我慢し過ぎて過度に溜めてしまうことや、冷えなども原因になるようです。
犬の膀胱炎の一般的な症状は頻尿、血尿、排尿困難、排尿痛などです。発熱や食欲不振、嘔吐や元気が無くなったりしている場合は腎臓のトラブル、雄なら前立腺の問題なども考えます。
症状から膀胱炎が疑われた場合は、まずは尿検査を行います。尿検査は、自然排尿とカテーテルによる方法、超音波ガイド下で膀胱を注射器で刺して採尿する方法などがあり、検査の用途によって使い分けます。
犬の膀胱炎の大部分は細菌感染があり(多くは大腸菌の感染だと言われています)、抗生剤や止血剤の投与を開始すると同時に、おしっこを我慢しないですむようにお散歩の回数を増やしたり、トイレの数を増やしたり、寒くない環境を作ります。通常、1週間後に尿検査をして、状況が改善していれば同じ治療を2~3週間継続します。1週間経っても尿の状態が改善していない場合は、結石や腫瘍がないか、抗生剤がきちんと効いているか、先天的な膀胱の異常がないかなどを、超音波やレントゲン検査、血液検査などで精査します。
犬の膀胱結石は、ストラバイト、シュウ酸カルシウム、尿酸塩、シスチン、シリカの種類があります。多くは、ストラバイトかシュウ酸カルシウムで他の3種は稀です。ストラバイトのみ、ストラバイト溶解食と抗生剤の投与で内科的に小さく出来る場合がありますが、他の結石は外科的な処置が必要になります。ストラバイトでも大きなものは外科的な処置が推奨されます。
犬の膀胱腫瘍は、良性、悪性と両方ありますが、悪性腫瘍は移行上皮癌が最も多く、スコティシュ・テリア、ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア、シェットランド・シープドッグ、ビーグル、ワイヤー・ヘアード・テリアなどに発生が多いです。治療は手術、抗癌剤、放射線の癌の3大治療をベースとして、症例によって、ホメオパシー、漢方薬、サイマティクスなどの代替治療も考慮します。