ウサギにどんな野菜を与えたらよいのかよく質問を受けます。
与えてはいけない野菜の代表はユリ科の植物、ネギ類です。長ネギ、玉ねぎ、にんにく、ニラなどを食べると血液が壊され溶血性貧血を起こします。原因は血液を壊すアリルプロピルジスルファイドが含まれているからです。犬や猫、牛も同じです。猿は容量依存性、鳥では稀です。
また、ホウレンソウはアクやえぐみの成分のシュウ酸が入っているので避けた方が良いです。ホウレンソウはCaと結合して尿路結石を作りやすいです。尿路結石を作りやすいCaが多い野菜は、コマツナ、チンゲン菜、大根の葉、春菊、水菜、パセリなどです。少量なら問題ありません。
キャベツは文献によって評価がわかれている野菜です。理由はゴイトロゲンという甲状腺腫誘発物質が含まれているからです。実験動物のウサギで甲状腺腫が作られ、体重減少、低体温、心拍数の低下、免疫量の低下が報告されています。しかし、よほど食べ過ぎなければ問題ないと思います。
アボカドもペルシンという有毒物質が含まれているので避けた方が良いです。胃腸障害、肝不全、心臓のトラブルもあります。犬や鳥でも報告があります。
ウサギはビタミンAの欠乏症で、体重減少や成長障害、眼疾患(角膜ジストロフィー、網膜変性)、神経症状、不妊症、水頭症、スナッフル、腸炎などを起こすことがあるので、ビタミンAや体内でビタミンAに変化するβカロチンを含んでいる野菜を取ると良いです。サラダ菜、コマツナ、チンゲン菜、大根の葉、春菊、カボチャ、ホウレンソウ、パセリ、ニンジンなどに多く含まれています。ただしビタミンAは接取し過ぎると、体重減少、耳介軟骨変性、脱毛などが起こることがあるので注意が必要です。また、ペレットの酸化、質の悪い牧草、飢餓、腸炎、肝疾患などでもビタミンA欠乏が起こります。
これらのことを踏まえると無難な野菜は、サラダ菜、セロリ、ニンジン、ブロッコリーです。野草は、オオバコ、タンポポ、ハコベ、レンゲ、クローバー、ナズナ、桑の葉などがオススメです。農薬散布のないものを与えてください。また観葉植物は中毒を起こしやすいので与えない方が無難です。
ニンジンはウサギに良い野菜です