新型コロナウィルスの情報は混沌としていますね。かなりおかしなものも散見されます。2月28日付の、香港漁農自然護理署(Agriculture, Fisheries and Conservation Department;AFCD)によると、ペットの犬から新型コロナウイルスがPCR検査で低いレベルの陽性反応がみられたという報道がありましたが(この犬の飼主さんの60歳の女性は新型コロナウイルスに感染しています)、下記の理由から日本のペットにおける新型コロナウイルスの感染は、現時点において問題とならないと、東京都獣医師会から発表がありました。
1.現時点の漁農自然護理署(AFCD)の発表では、犬の鼻と口の粘膜にたまたま付着した新型コロナウイルスを検出してしまった可能性があり(新型コロナウィルスは環境にも残ります)、犬の体内で本ウイルスが増殖したかどうかは確定していません(犬が感染したことを確認したわけではありません)。
2.もし、ペットに新型コロナウイルスが感染するとしても、コウモリなどの野生動物との接触がほぼないとされる日本のペット飼育環境下においては、ペットへの新型コロナウイルスの感染があるとすれば、飼主さんからペットへ感染する経路しか考えられませんが、その可能性も非常に低いと考えられます。(新型コロナウィルスがコウモリによって媒介されたという証拠も、今のところありません)
まずは飼主さんが新型コロナウイルスに感染しないように注意し、落ち着いてペットに対応しましょう。
本件に関しては新しい情報が届きましたら随時更新します。