ミネラルは無機質ともいい、骨や歯などの硬組織の形成や、細胞内外液の主要電解質、神経の伝達などの生理機能の調節を行います。ミネラルもビタミン同様、生体のエネルギー源にはなりませんが、体内のさまざまな酵素反応の活性化において重要な働きを担っています。
ミネラルにも必須ミネラルがあり、現在24種類あります。必須ミネラルは、多量ミネラルと微量ミネラルに分類され、多量ミネラルはカルシウムCa、リンP、カリウムK、ナトリウムNa、塩素Cl、イオウS、マグネシウムMgがあり、微量ミネラルは、鉄Fe、亜鉛Zn、銅Cu、モリブデンMo、セレンSe、ヨウ素I、マンガンMn、コバルトCo、クロムC、ヒ素As、鉛Pb、ニッケルNi、ケイ素Si、バナジウムV、フッ素F、スズSn、リチウムLiがあります。
ミネラルの適正量はその範囲が狭く、また相互に影響し合う特性を持つために摂取バランスが重要です。経口摂取されたミネラルは、小腸、大腸から吸収されます。体内で最も多く存在するミネラルはカルシウムで次はリンです。犬と猫のカルシウムとリンのバランスは、カルシウム1~2:リン1とされています。
良質なペットフードを主食としている場合は、ミネラルは十分に含まれているので、基本的にはサプリメントなどで補充する必要はありません。一方でミネラルの過不足はそれぞれの働きに影響を与えます。とくに小鳥や爬虫類ではカルシウム不足による、脚弱症や代謝性骨疾患が非常によくみられます。また、成体の犬猫、ウサギなどにカルシウムを与えすぎると結石の原因になります。ミネラルも過不足なく与えることが大事です。