No.155 犬の発達行動学

子犬の発達期は、新生児期(0-2週齢)、移行期(2-3週齢)、社会化期(3-12週齢)、少年期(性成熟期まで)、青年期(社会化成熟期まで)と分類されています。

新生児期(0-2週齢)は、視覚、聴覚、嗅覚がまだなく、完全に母犬に頼っている状態。

移行期(2-3週齢)では、感覚器、五感が発達し、14-18日で聴覚が出現し、10-16日で目が開き、そのあとしばらくして目が見えるようになります。徐々に複雑な動きが出来るようになってきます。

社会化期の前期(3-6週齢)では、母犬、兄弟犬とのかかわりで社会化が行われていきます。母犬による排尿の手助けは通常5週齢目くらいまでです。この後に母犬によるトイレトレーニングが始まります。

社会化期の後期(6-12週齢)では、6週齢くらいから生活の中で周囲との関係性や他の動物との社会化が構築されていきます。いろいろなものに順応させるのに最適な時期です。脳はスポンジのように様々なことを吸収していきます。離乳は通常7-10週齢で、子犬は離乳を通して犬社会での優位行動・劣位行動の表し方を知ります。8-10週齢は恐怖期で、怖いということを覚えます。

少年期(性成熟期まで)~青年期(社会化成熟期)では、身体が急速に成長し、永久歯が生え始めて、活動性・興奮性が増します。兄弟犬同士での順位が決定され、反抗期に突入します。この時期トレーニングが困難になることがあります。

ブリーダーやペットショップからお家に子犬を迎え入れる時期は難しいですが、離乳が終わる8-10週齢目が推奨されています。早期離乳は攻撃性が増すといわれています。ただこの時期は前述のように恐怖期でもあるので移動などにも注意が必要です。動物の愛護・管理による法律でも『生後56日(8週齢)未満の犬やねこを親から離してはいけない』とされています。

今回のメルマガは、入交眞巳先生(日本ヒルズコルゲート株式会社)のセミナーを参考にしています。