犬の優位性行動と劣位性行動を考えてみましょう。わかりやすく言い換えると、優位性行動とは『自信のある行動』、劣位性行動とは『自信のない行動』です。ヒトvs犬、犬vs犬でも、生活の場面場面で優位性行動と劣位性行動は現れます。とくに初対面の場合は顕著です。
これらは交互に現れることもあり、また、どちらなのか判断が付かない場合も多いですが、優位性行動は優位で不安がないので基本的には普通にしていますので、劣位行動がコミュニケーションをリードすることが多いです。両者が優位性行動同士だとケンカになるので、争いたくない方が譲るというような場合がそうです。劣位性行動は不安で下記のような行動をとります。
犬の劣位(不安)行動 :犬が怖がっている、または不安で自信のないときも見せる行動
・歯を見せる:優位性行動では歯を見せずに威嚇します
・口角を上げる・引く:にっと笑っているように見えます
・耳を下げる
・尾が下がる
・目をそらす:見つめあうとオキシトシンという幸せホルモンが出ますが、やり過ぎると不安になり上か横を向きます
・甘える:相手の口を舐めるなど
・唇をなめる
・舌をしょっちゅう出す
・口をもぐもぐさせる
・上を向く
・横を向く
・理由なく床をかぐ
・あくびをする
・体をなめる
・体をひっかく
・パンティングをはじめる
とくに最初の5つは重要です。思い当たる行動もあるのではないでしょうか?劣位行動が相手に伝わらないと、吠える・唸る→咬むとなります。子供さんの多くの不幸な咬傷事故は、犬が不安になって起こっていると考えられます。子供でも犬よりは大きいので犬は怖がります。手が上から来るのも恐怖です。不安でいっぱいな犬とのハグは顔を咬まれることがあります。
また、食事を横取りされそうになったり、叩かれそうになったりすると、当然ながら犬は不安になります。これらのような単純ではない場面では不安の原因をすぐに見つけられないことも多いですが、上記のような行動が見られたら、犬が一生懸命に「自分は不安です」「恐いです」と言っていると理解してあげて下さい。そして、焦らずに犬の立場・気持ちになって、その状況を整理して考えてみてください。
今回のメルマガは入交眞巳先生(日本ヒルズコルゲート株式会社)のセミナーを参考にしています。