すべての動物ということではありませんが、高齢になると認知症がみられる場合があります。 認知症は「いったん正常に発達した知能が後天的な脳の器質的変化によって低下する状態」です。ヒトの場合と同じように良い治療法は今のところありません。長い間、一緒に元気に楽しく過ごしてきたのに切ない状態になり、飼い主さんたちの負担も大変なものとなるので、ヒトと同じように大きな問題となっています。認知症は犬に多いので(とくに柴犬、日本犬系雑種)犬での話が中心となります。
認知症犬のチェックポイント
・昼夜が逆転する
・夜泣き
・一本調子の大声で泣き続ける
・呼びかけても反応しない
・トボトボと徘徊する
・前進はできるが後退ができない
・狭い場所に入り出られない
・無気力
・以前学習したことができなくなる
このような行動がみられれば認知症を疑います。認知症は脳の老化の最終段階です。治療せずに放置すると、症状が出てから寿命は1~2年といわれています。できるだけ早い段階から治療して、進行を遅らせることが大事です。ここで重要なことは他の疾患でも上記のような症状が出る場合があることです。最初から認知症と決めつけないことが大切です。次回は上記の症状のいくつかを、もう少し深く考えてみましょう。