No.10 犬、猫に与えてはいけない食品、薬  その2

よく質問されるものに牛乳があります。犬も猫も離乳時から乳糖分解酵素(ラクターゼ)がどんどん減ります。そのため、過剰な乳糖を摂取すると下痢を起こします。もちろん個体差があり、牛乳を飲んでも下痢をしないワンちゃん猫ちゃんもたくさんいます。発酵によって乳糖が分解されているヨーグルトやチーズは少量なら大丈夫です。

生肉については賛否両論あります。野生の狼や虎は生肉を食べてるじゃないか、など…しかし、生肉を食べなれていない場合は消化不良の原因になりますし、新鮮さの問題もあります。お肉の専門家の方ならともかく、加熱調理をしていただいた方が無難です。まあ、お刺身なんかを少量ならば、全く問題ないと思いますが。

子供を育てたことがある方はよくご存知だと思いますが、ハチミツも注意が必要です。まれですが、ボツリヌス菌が入り込むことがあります。筋肉の麻痺が起こり、呼吸ができなくなり死亡する場合があります。とくに消化管の粘膜や免疫機構が出来上がっていない子犬、子猫には与えないで下さい。

ご存知ない方が多いのがブドウです。原因ははっきりとわかってないのですが、腎不全を起こした犬の例が報告されています。

最近はいらっしゃらないと思いますが、猫を長期間に渡りドッグフードで飼育すると、タンパク質をはじめ猫に必要な栄養素が不足します。

また、塩分の多いもの、香辛料が多く刺激の強いものなども与えないほうが良いのは言うまでもありません。

我々が診療に用いている約8割が人体用のお薬です。しかし、動物に与える量は単純に体重比ではありません。また、少量でも犬猫には重大な副作用が生じる薬もあります。とくに、抗癌剤、抗精神薬は重篤な症状が出やすいです。誤って飲んでしまった場合は、すぐにご連絡下さい。かぜ薬、正露丸なども危険な場合があります。漢方薬、サプリメントも、人には良いけれど動物には有害というものがありますし、他の薬との飲み合わせの問題が出ることがあります。使用したい場合はご相談下さい。