老齢動物でよくある関節疾患についてです。
老齢動物の関節疾患について
老化が進むと関節に変化が起きてきます。関節疾患のサインは
・スムーズに立ち上がれない、動作が遅くなった
・歩きたがらない、歩くのが遅くなった、歩き方がおかしい
・あまり遊ばなくなった、元気がない
・触ると怒る
・関節の曲げ伸ばしが困難
・階段の上り下りがつらそう
のようなものがあります。ある研究によると、軽度のを含めると7歳を超えたほとんどの犬では何かしらの関節の障害を持っているそうです。関節疾患の代表的なものには以下のようなものがあります。
関節炎:関節の軟骨が破壊され関節がスムーズに動かなくなります。壊れた軟骨組織から炎症を起こす物質が出てくるため痛みがでます。治療はNSAIDと呼ばれる鎮痛薬、半導体レーザーも有効です。肥満の場合は減量も重要です。無理な運動も関節炎を悪化させます。
ハンセンII型椎間板ヘルニア:2歳以上なら若い犬にもハンセンI型の椎間板ヘルニア(髄核が線維輪を破って飛び出して脊髄を圧迫するタイプ)が起こることがありますが、ハンセンII型の椎間板ヘルニア(髄核が線維輪を破らずに押し出すように脊髄を圧迫するタイプ)は老犬に多いです。(→椎間板ヘルニア1 椎間板ヘルニア2)
変形性脊椎症:老化によって椎間板の髄核の水分が減り線維輪の耐久性や弾力が弱まります。そのため椎体と椎体が不安定になり、椎体にトゲのような骨棘ができてきて椎体を支えようとします。この骨棘が神経を刺激し痛みが生じます。(→変形性脊椎症)